「宇宙戦艦ヤマトに茶トラの猫ちゃんが出てきますよね、お父さん。」
「ミーくんの事?。佐渡先生の飼い猫だったかな?。」
「そうそう。あの猫ってキャプテンハーロックとか銀河鉄道999にも出て来ていませんか?。」
「出てるよ。それがどうかしたのかな?、サヨリちゃん。」
「どうして、ミーくんは色んなアニメに出てくるのかな?。って思って。」
「ミーくんは、原作者の松本零士先生の飼い猫がモデルだからだよ。」
「にゃ!。実在したの?。」
松本アニメの猫、ミーくんは実在する猫がモデル
「松本作品にミーくんは沢山出てきているのだけれど、お父さんはヤマトのミーくんが1番印象深いね。」
「どうして?。」
「たぶん、テレビアニメを何度も、何度も、何度も、再放送で見たからだと思うよ。宇宙戦艦ヤマトって、子どもから見ても絶望的な場面からスタートするからね。1年の間にイスカンダルからコスモクリーナーを持って帰らないと人類滅亡という設定だったから、話が結構暗いんだわ。だから戦闘シーンよりも、ご飯を食べたり会話したりしているシーンが妙に重く感じられたんだよね。」
「そこで、ミーくんがいい味出してるって感じですか?。」
「今も昔も猫キャラが出ると場が和むからね。そんな意味からもミーくんも立派なヤマトクルーだったよ。逆にハーロックや999のミーくんは印象が薄いんだ。」
「さっきの話の続きですけれど、ミーくんは実在した猫なの?。」
「今も実在しているはずだよ、サヨリちゃん。」
「冗談を言わないで下さいよ、お父さん。宇宙戦艦ヤマトやキャプテンハーロックや銀河鉄道999がブームだった頃って、今から40年以上も昔のお話でしょ?。猫はそんなに長生きしませんよ。」
「今は3代目だったかな?。ミーくんの名前を受け継いでミーくんは今も生きているんだよ。」
「そうだったんですか。松本零士先生は猫が好きなんですね。」
「初代ミーくんは、14年間ずっと松本先生と共に過ごしたそうだよ。当時の松本先生は若かっただろうから、青春時代は初代ミーくんと過ごしたんだろうね。」
「で、晩年のミーくんはどうなったのでしょう?。」
「最後は大きな病気をしたそうだよ、サヨリちゃん。お医者様も手がつけられなくなって、松本先生はミーくんを抱いて病院から家に帰ったんだって。そして、ミーくんを抱きしめて一晩過ごしたそうだよ。」
「ミーくんはそれから少し生きられたの?。」
「残念だけれど、サヨリちゃん。朝を迎える頃にミーくんは、松本先生の胸の中で息を引き取ったそうだよ。」
「でも、松本先生の作品の中でミーくんは、今もずっと生き続けているんですよね。」
「いつの日か、遠い未来で、もう一度運命の交わることがあったらもう一度逢いたい…。」
「にゃんですか?、急に。」
「松本先生が、こんな事を言ったそうだよ。」
「良い飼い主さんですね…。また、逢えますよ。きっと。」
「そうだね。遠い未来、きっとミーくんと逢えるよね。」
「お父さん、ボクが…。」
「ん?。」
「いや、何でも無いです…。」
Related Posts