「突然ですが、サヨリちゃん。キミの貯金を下ろすよ。」
「お父ちゃん、ボクに貯金をしていてくれたのですか?。メッチャ嬉しいです!。幾らです?、1万?、10万?、まさか…100万円!。」
「残念だけれどサヨリちゃん、貯金と言ってもお金じゃ無いんだ。抜け毛だよ、抜け毛貯金。」
「はぁ?。今日日、抜け毛ポッチで小学生でも喜ばへんでぇ〜。ゼニやろ?、貯金っつうくらいやからゼニでっせ。貯金っつのは、金(かね)を貯(た)めると書きますやん。それが、抜け毛って、あり得へんわ。喜んで損したわ。」
「まぁまぁ。落ち着いて話を聞いてよ、サヨリちゃん。壁をハロウィン仕様にしたので、サヨリちゃんの毛で魔女の帽子を作ってあげようかと思ってね。それに、サヨちゃんは福澤さんよりちゅーるでしょ?。」
「うん、わかった!。ちゅーる好き。」
「やっぱ、猫だな。」
猫毛貯金で魔女の帽子(エナン)を作ってみた
「凄い沢山の毛が貯まってましたね、お父さん。ボクの抜け毛って、ミックスするとロシアンブルーっぽくなるんですね。」
「沢山抜け毛が貯まってっいたね、サヨリちゃん。でも、全ての抜け毛を貯金していたワケでは無かったから、この何倍もの毛が抜けたと思うよ。たった一夏でこれだからね、そう考えると凄いよね。凄い事だよね。しっかりと抜け毛貯金してたら、もっと色々作れそうだよね。」
「ところでお父ちゃん、猫毛で帽子の作り方なんて知ってるの?。」
「ん?、そんなの知らない。帽子っぽく作れば良いんじゃね?。」
「やっぱり。相変わらずの見切り発進ですねー。」
(5分後…)
「こんなもんでしょ?、サヨリちゃん。魔女の帽子が出来たよー。魔女の帽子、出来ました。」
「ボクの香りがプンプンしていますね。これは意外と良さげです。素材だけですけれどね。」
「何で?。」
「この帽子は何でしょう?、ザックリし過ぎではありませんか?。一応、帽子のテイで作りました的なやる気の無さをヒシヒシと感じますが。」
「そうだよね、そのテイで作りました。作っちゃいました。デヘヘ。」
「デヘヘじゃねぇよ、ビチクソ野郎。もっと真面目に作って下さい。」
「生で見るとチャッチイですけれど、写真で見ると魔女帽子の雰囲気出ているとは思わない?。いーよぉー、魔女っぽいよー。ちなみに魔女帽子はエナンと言うよ。」
「棒読み感が否めませんが、写真で見ると中世の魔女っぽさがありますね。古臭い感じが出ています。」
「でしょ?、でしょ?。魔女っぽく見えるでしょ?。さぁ、メレブさん。何か魔法を僕にかけて下さい。お願いします。」
「それは無理!。」
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