「癒されるわぁ~。」
「ストレス喰ってくれるわぁ~。」
キジとら・サヨリ、推定8歳 ♂。
人間に年齢に換算すると48歳であるにも関わらず、この天使というか小悪魔という存在は、今日も癒やしビームを放っている。
こいつの何処に、天使要素が詰まっているだろうか?。帰ったら音もなく近づいてスリスリして来るところだろうか?。それとも、私の足につかまってガリガリと爪を研ぐ仕草にやられるだろうか?。それとも、あたかも自分の指定席が如く、私の膝の上で何時間でも寝ている行動にあるのだろうか?。
キジとら・サヨリ、人間年齢に換算して48歳。
もしこれを48歳のおっさんにされでもしたら、DNAレベルで拒絶反応起こってしまうだろうし、それをわざわざ頭の中で想像する行為は、愚行としか言い表せない。
そのおっさん側の人間としては、いくつになっても天使でいられるニャンコが羨ましくも感じる。
さて、この48歳の天使。
彼の体のメンテナンスは怠れない。抜け毛の処理、すなわちブラッシングが日課なのは当然の事。それに加えて爪切りも私の大切な仕事である。猫の爪は非常に鋭く、それだけで立派な凶器と化する。それは、天使属性に悪魔属性を加えたハイブリッド種と寝食を共にする事と同じだ。
遠い昔、サヨリちゃんが天使に見えなかった頃。そして、私の中に猫の爪を切るという発想すら無かった頃。
朝目覚めると、引っかき傷が腕や背中、腹部にあった事が何度もあった。それは、意識が飛んでいる間に猫と言う名の悪魔の仕業に他ならない。その意味からも猫の爪は非常に危険なのだ。見かけに騙されて気を抜くと、鋭い爪の餌食にされかねない。
で、、、だ。
天使を悪魔に変えないように、天使に悪魔の爪を与えないように、爪切りの儀式を昨晩実施した。
ガサガサと戸棚の引き出しから爪切りを探す音だけで、日本三大祭りのひとつ、「キジとら夏の爪切祭り」が行われる空気がわが家の天使にも伝った。
一瞬、嫌な表情を見せる天使。
「嫌じゃ。」
そんな視線が私の胸に突き刺さる。些か気の毒でもだったが、そんなのは構ってられない。構ってられねぇ~よ。
「行っくよ~~~!。」
右手に爪切りを持ち、左手には天使の右足を掴む。そして肉球をクイッと押すと、ニュッと出て来るターゲット。
天使にとって爪切りが嫌である事には変わりは無いけれど、暴れなければ、ものの3分で終わるという事も、天使は十分理解している。医者に予防注射を打たれる小学生のように、自分の右足から目をそらしながら、
「終わったよ。」
の言葉をひたすら待つ天使。この高みまで登り詰めるまでには、私と天使との激闘の歴史があったのだけれど、それについては過去の記事を弄って頂きたい。このブログの何処かに必ずあります。
予定通り3分を余す時間で爪切りも終わり、オラオラスイッチの入った天使さま。しばしの間、クローキラー(私)とじゃれ合ってから眠りの床に。
頑張ったご褒美に、明日は何処かに連れて行ってあげましょう。
海ですか?。
それとも山ですか?。
何なら別の何処かへ生きますか?。
そう考えながら私も一緒に眠りについた。だがしかし、翌朝、私は雨音で目覚める事になる。あら残念、ご褒美は延期です。
憂いあれば喜びあり。
先程入ったキジとらホットラインによると、48歳の天使へのサプライズイベントが近日行われるそうです。
その件についてはまた今度(笑)。
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