2024-02-23

小説の話

さぁ、言葉遊びの実験をしよう

これはひつとつの実験である。否、言葉遊びやセリフ回しの練習だ。僕には誰にも言えない悩みがあった。この実験は、僕のストレスへの〝はけ口〟と言い換えた方がよいかもしれない。 僕の悩みは小さいかもしれない。他人の目から見れば些細な気の迷いなのかもしれない。僕の悩みは文体である。己の文体への猛烈なコンプレックスに他ならない。 この人らしいよね───これが、僕の文章には無い。 例えば、漱石のような、太宰のような、西尾維新のような、加藤はいね女史のような……そんな独自の文体を僕は持たない。さしずめ僕の文体は、コピー忍者カカシ先生の写輪眼のようなものである。カカシ先生は〝雷切〟もしくは〝千鳥〟と呼ばれるオリ...