「『脂肪と筋肉が命を守る』って、めっちゃそそられるんですけど、サヨリちゃん。」
「どうしてですか?、お父さん。この数日、こんな感じのテレビ番組の話をしていますけれど、どれも似たようなものでしたよ。そろそろ、ボクは飽きて来ました。」
「ところがどっこい、天下のNHKだよ。民法とは違って情報の濃さが違うはずだよ。」
「そうですか?、だったらもう一回お付き合いしましょうか。」
「凄い期待しているんだよね、この放送には。だって、『NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク第2集「脂肪と筋肉が命を守る」』だよ。脂肪と筋肉との間で揺れている僕には興味深い内容だよ。」
「これを見て、何をするの?。」
「筋トレやダイエットの糸口が見えそうな気がするのさ。
- 筋肉を増やすにはこれが最適。
- 脂肪を減らすにはこれが最適。
- 理想的な筋肉と脂肪の比率
などなど。角度を変えれば絶対役立つ知識満載だって!。オラ、ワクワクすっぞ!。」
「そうですね。視聴率など無関係な放送局ですから、多少、理解しづらい高度なお話も取り上げるのかも知れませんね。では、今夜を楽しみに放送時間を待ちましょう。」
「ごゆっくり。懸垂始めてから4キロ痩せたからって無理は禁物ですにゃ~。では、ボクはそれまでお眠しますにゃ。」
NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク第2集「脂肪と筋肉が命を守る」(NHK)より。2017年11月5日(日) 21時00分~21時50分。
NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク第2集「脂肪と筋肉が命を守る」から考えるダイエットのヒント
「うぇ〜い!。マナミン出たよ、お父さん。」
「わぁ〜!国民の愛人だ!、コレっていいのか?、NHK。で、何やってんの?、サヨリちゃん。」
「橋本マナミさんの身体データをMRIで読み込んで、全身を立体化しているのです。このデータ、ボクはたまらなく欲しいです。」
「いつになく鼻息が荒いね、サヨリちゃん。とてもいい事があったようだね。」
「にゃ、にゃ、にゃ。テレビで壇蜜さんを見ている時のお父さんにはかないませんよ。今日は、脂肪と筋肉のお勉強ですよ。真面目にやって下さいよ、お父さん。」
「御意。」
脂肪や筋肉は脳へ命令を出していた!
「脂肪も筋肉も、人体にとって大切な臓器なのですよ。知ってましたか?、お父さん。」
「それは無いわ、あり得んわ。そんな事を言っていると、笑われちゃうよ、サヨリちゃん。」
「体の中には巨大な情報ネットワークが構築されていて、脂肪や筋肉から脳へ情報が伝達されているのです。マナミンの体重は56キロですけれど、筋肉は21キロ、脂肪は18キロです。マナミンの70パーセントは、脂肪と筋肉で出来ています。」
「橋本マナミの残り30パーセントは何で出来ているの?。」
「決まっているじゃないですか!、優しさですよ、や・さ・し・さ!。」
「マナミンはバファリンかよ。でも、人体の70パーセントを占めるとなると、栄養を蓄えたり、体を動かす事以上の役割がありそうだね。」
「そうなんですよ、お父さん。もしも、脂肪が無かったら、お父さんはどうですか?。」
「はい!、うれしいでーす。」
「幼稚園生かっ!。もしも、自分で脂肪が作れなければ、食欲を抑える事が出来なくなるんですよ。脂肪萎縮症という病気も存在するのです。」
「脂肪萎縮症?。という事は、筋肉モリモリ?。」
「脂肪が無いのですから、そいう事になりますね。アメリカ コネチカットに住んでいるジュリアン フェルトン君は、脂肪萎縮症で苦しんでいる一人です。まだ小さな彼は、脂肪細胞がない事で食欲を抑える事が出来ません。細胞脂肪は丸い形をしている細胞ですが、体内に油をため込む細胞性質があります。それが出来ない彼の血管の中には、本来、脂肪細胞が蓄える筈の油が血管中に溢れる事になります。そう言った事が原因で、重い糖尿病や心臓病などの病気になる可能性が大きいのです。脂肪萎縮症は、30歳まで生きられない事もあるそうですよ。」
「それは大変だ!。現在の医学では治せないの?。」
「脂肪細胞の中から食欲を抑える物質が発見されました。それが『レプチン』と呼ばれる物質です。これは医学界ではとんでもない発見と言われています。レプチンが脳の視床下部に届けられて食欲を抑える命令が下されるのです。」
「脂肪細胞、凄いやん。凄すぎやん。」
「脂肪萎縮症の患者さんに、レプチンを投与する事で食欲を抑制出来るそうです。番組最後で紹介されますが、レプチン治療薬が開発されて、フェルトン君もレプチン治療が受けられるようになったそうです。」
「それは良かった、脂肪萎縮症の患者さんの未来も開けたね。医学って凄いね、サヨリちゃん。」
「約0.1ミリの脂肪細胞の中には、このレプチンの他にも脳へ命令を送るメッセージ物質が600種類もあるんですよ。」
「もはや臓器だわ。脂肪に愛着が湧いてきた!。」
「お腹をナデナデしながら言わないで下さいよ、お父さん。そんな脂肪細胞にも困った問題が発生しています。それが、免疫細胞の暴走です。」
「なんですって!、サヨリちゃん。」
免疫細胞の暴走の原因はメタボ
「地球の歴史の中で、生物史上、人類が初めて直面した大きな問題があります。」
「それが、ファーストインパクト?。」
「それはエヴァンゲリオン。肥満です。メタボです!。弱肉強食の生存競争の中、人類が初めて到達したのが肥満なのです。」
「肥満やメタボが体に悪い事は分かっているつもりだけれど、その雰囲気では怖い話になりそうだね、サヨリちゃん。」
「脂肪細胞は、ウィルスや病原菌の侵入を免疫細胞へ知らせる伝達物質を出す役割も担っています。正常な状態では問題ありません。ですが、メタボ状態の人体の中では、脂肪細胞から大量のレプチンが放出されているのにも関わらず、脳へ情報が伝わらなくなっています。だから肥満の人は、食欲が止まらないのですよ。」
「それはどうしてなんだい?、サヨリちゃん。」
「ズバリ、血管です。レプチンは血管を通して脳へ移動するのですが、能の血管内の油が多いとレプチンの情報が脳に伝わらなくなってしまうのです。ゆえに、肥満の人は食欲が止まらなくなっちゃうのです。お父さんも要注意ですよ。」
「御意。」
「そしてもっと怖いのは、免疫細胞の暴走です。脂肪細胞は、免疫細胞に危険を知らせる役割があるとお話ししましたよね?。」
「ウィルスや病原菌からの脅威に備えて、脂肪細胞が見張り番をしてくれているんだよね。」
「メタボで異常をきたした脂肪細胞に呼ばれてやって来た免疫細胞は、現実には敵のいない体内で、油を敵とみなして油への攻撃を始めます。」
「だったらいいじゃない。油もやっつけたのだから。」
血管の中で免疫細胞が破裂!
「面倒な事に、それが起こるのは血管の中です。そして、油を溜め込んだ免疫細胞は血管内で破裂するのです。」
「それでどうなるの?。」
「破裂した免疫細胞内部には、人体へ毒性のある物質も含まれていますから、全身の血管に大きなダメージ与え続けるのです。それが脳血栓や心臓病や糖尿病などの命に関わる病気の原因となるそうです。」
「うわぁ、ダイエット始めて良かった。」
「日本では、糖尿病の患者さんが一千万人を超えたそうです。お父さんも、メタボ予備軍でしたら、ダイエットを始めて良かったですね。」
「でも、それならメタボリックシンドロームの人への救いは無いの?。肥満な人には未来は無いの?。」
「にゃ、にゃ、にゃ。そこで筋肉のでばんですよ、お父さん。」
「待ってました!、筋肉。」
免疫細胞の暴走を抑えられるのは筋肉から出るある物質
「先程の免疫細胞の暴走を抑える薬は存在するそうです。ですが、薬に頼らなくても良くなるのかも知れません。」
「知れませんって、どういう意味なの?、サヨリちゃん。」
「人体には400種類の筋肉があるそうです。丸い形の脂肪細胞と違って、筋肉細胞は細長い形状をしています。筋トレとは、この細長い筋肉を太くする作業です。お父さんなら知っていますよね。」
「まぁ、それなりに。やってる割には筋肉が太くならないけれどね。」
「筋肉からは、筋肉が発達し過ぎないように抑える物質があります。それがミオスタチンです。もしも、ミオスタチンが出なければ筋肉はドンドンと発達して行きます。」
「それはいいかも!。」
「いちいち甘い思考回路ですね、お父さん。筋肉をつけ過ぎると、体内のエネルギーがドンドン使われてしまって、日常生活どころでは無くなりますよ。筋肉の成長を抑制する事も大切です。お父さんは、もっと筋トレが必要ですけれどね。」
「はいはい。それで、筋肉から出される免疫細胞の暴走を抑える物質って何ですか?、サヨリちゃん。」
「それが、IL-6と呼ばれる物質です。ベンテ ペダーセン博士がその効果の研究をしています。IL-6は筋肉を動かす事で得られる物質です。」
「おー!、筋トレに繋がったね、サヨリちゃん。」
「最近、特に筋肉好きですね、お父さん。実験ではIL-6を投与することで、免疫細胞の戦闘モード解除する働きが検証されたそうです。ベンテ ペダーセン博士によると、人間の体は動く事を前提に作られているそうで、運動は大切だそうですよ。ただし!。」
「ただし?。」
「日本では、IL-6は免疫細胞を活性化させると思われていたために、完全に真実だとは言えないそうです。ですが、人体にはこれらの回避策が備わっている可能性があるのだとか。」
「奥が深いよね、人体。」
「そうですよ、お父さん。筋肉からは、ガンの増殖を抑えたり、鬱を軽減したりする物質や、カテプシンBを増やす事で記憶力がアップしたという実験もあったそうです。それを否定する学者も存在はするようですけれどね、お父さん。」
「でもそこは…」
「乗っかっちゃうんでしょ?、お父さん。」
「ナイス!。さぁ、アブローラーやろっと。」
ブログサークル