ほっともっと新・BGIのり弁当(ナポリタン) 2022

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ほっともっと新・BGIのり弁当(ナポリタン)
ぐるめ・試食
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───これは始まりなのだ。

2022年7月1日。

のり弁当がリニューアルされた。曰く、新・のり弁当登場!。曰く、ちくわ天ボリュームアップ!。曰く、じゃぁ〜それで。他でもない、ほっともっとでの話である。

昼飯を喰いっぱぐれた7月3日。

灼熱の畑からの帰り道。今年の夏は腹が減る、どうゆうワケだか腹が減る。腹が減って空も地面もグニャグニャだ。空腹ですか?、熱中症ですか?、それとも第三成長期?。三つ目のはウエストサイズ限定だけれど。

もし、今日で世界が終わるなら、アナタは何を食べますか?。焼き肉、すき焼き、にぎり寿司…頭の中でクックパッド。献立メニューを検索していると陽炎の向こう側。ほっともっとの看板が見え、僕の胃袋が小声で囁いた。

───のり弁買って帰ろ。

疲れていたのだろう、口も食道も、小腸、大腸、肛門も、満場一致でほっともっと。おやつの時間と晩ご飯のど真ん中、中途半端な時間帯。ガラガラの店内に入るとポスターメニューが目に留まる。「新・のり弁当登場!」「新」の文字が心臓に刺さる。

───おかず、ヤバ盛り。

どうしてだろう。

僕は、スパゲティ、ウィンナー、ハンバーグ、エビフライ、目玉焼き。そんなお子様ランチに反応してしまう。スパゲッティは赤いのな。左側ので良いのに口が僕に従わない。条件反射のように、パブロフの犬のように、悪魔に導かれるように右側を選ぶ。

───のり弁当、ビッグで。

価格差220円、熱量差363kcal。

つまり、今日は暑いからゼロカロリー。だってそうでしょう?、久しぶりだもの、今年初めてのほっともっとだもの。その事実を踏まえれば、マイナスカロリーに決まってる。だから、明日の体重測定が楽しみだ。

───茄子と胡瓜ばかりも辛いのよ。

野菜ばかりが、毎日続くと割と辛い。たまにはジャンク飯が欲しくなる。それはアナタも同じでしょ?。それが飢えと言うものなのだ。

───こんな話を訊いた事がある。

膵炎で緊急入院した男の話だ。男は腹部へ猛烈な痛みに襲われた。突然である。もがき、苦しみ、七転八倒し、救急車で救命病棟24時。レントゲン、心電図、エコー、胃カメラ…様々な検査が行われ、下された診断結果は急性膵炎。

点滴治療が開始され、何日も続く絶食の日々。固形物を口に出来たのは救急搬送から14日後であった。出されたメニューは、1枚の食パンと少量の苺ジャム。ショボい…。苺の花言葉は幸福な家庭と言うけれど、口に含んだ瞬間、男は全く別の事を考えていた。何だと思う?。

───このパンの為なら人も殺せる。

実話である。

空腹は最高のスパイスと言うけれど、干からびた胃袋が発した信号は快楽と狂気とサイコパスであった。コロナ、戦争、止まらぬ値上げ。食糧危機さえもが現実味を帯び始めた昨今。だからこそ、今は本能に従って、BIGのり弁当に消化器官を委ねよう。

ほっともっと新・BGIのり弁当(ナポリタン)

───染みるねぇ〜、キャノーラ油。

これで夜勤も辛くない。

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