iPadに記録された写真を眺めていると、ファミマのスフレプリンの画像に指が止まった。スフレプリン出会ったのは、今から二ヶ月ほど前の話。愛猫サヨリと散歩の途中で立ち寄ったファミリーマートで、猛烈に大プッシュされていたコンビニスイーツがスフレプリンだった。一文字違えば炎上しそうな名前だ。
何でも一度は騙されてみる派な僕なのだけれど、ファミマのスフレプリンは大当たり中の大当たりで、スロでいうところの何ちゃらラッシュだ。ふんわり&とろ~りの夢の競演が口の中で繰り広げられた。それ以降、ファミマに入るとスフレプリンに手が伸びる生活がしばらく続く事になる。
これはうめぇ~、文句なしっす。
ファミマのスフレプリン 税込278円(344kcal)
コンビニスイーツの中でも税込278円という価格設定。それは僕にとって些かお高い部類で、うどん換算に慣れ親しんだ讃岐人にとって、値段のハードルが高いのは言うまでもない。ただ、自転車の前篭で僕を待つサヨリが気になって、つい買ってしまったというのが正直なところ。その時、僕の思考回路は完全にフリーズしていたのだろう。
軽く後悔しながらも、いそいそと、サヨリと共に持ち帰ったスフレプリン。その価格も去ることながら、カロリーも値段に比例してかなりお高め。今なら絶対御法度なのだけれど、当時の僕はイケイケで、割とガンガン食べていたのでカロリー表示なんて気にもしてはいなかった。
商品表示が貼られた透明なプラスチックの蓋を開くと、小麦色に焼けたふんわりスフレが顔を出す。僕はスフレというスイーツを今でも理解出来ていないのだけれど、スポンジケーキのように見えたスフレにスプーンを刺すと、全く抵抗を感じないくらいの柔らかさで期待だけが独り歩きをし始めた。
お披露目中、スフレプリン強奪を試みるサヨリだったが、
「サッちゃん。猫は人間の食べ物を食べると死んじゃうんだぞ。」
っと、理想の彼女は朝倉南チックにブツを取り上げた瞬間、ニャーニャーと抗議をし始めたサッちゃん。タッチどころか爪を立てて、僕のズボンに総攻撃を開始でこりゃあ堪らん。激おこサッちゃんには、大好きなちゅーるを与えて気を逸らす。その隙に、ずっとスプーンが刺さりっぱなしだったスフレに挑む。
スフレは、ふんわりとした触感で口の中で溶けているような甘い味わい。うん、美味。そのままスフレの隙間から顔を出すプリンを口の中に放り込むと、こちらはとろ~りとして、こっちも美味。どちらも糖度は高そうなのだけれど、合わせて食べると別次元へと僕を誘う。なんつーの。これなら3個は一気に喰えるね。間違いなく今年一番のコンビニスイーツ、個人的には五つ星。
ありがとうファミリーマート。
一方、サッちゃんはちゅーるに夢中で、僕もゆるりとお散歩帰りのおやつを満喫出来る筈だったのだけれど、もわっとした軽く嫌な視線を感じて前方に目を遣ると、
物欲しげな目をしたサッちゃんの顔がスフレプリンをガン見していた。大切な誰かに裏切られたような表情からは、哀愁がいっぱいで、どんな階段も登れない感じだった。
「サッちゃん。猫は人間の食べ物を食べると本当に死んじゃうんだから。」
サヨリ専用コンテナにある筈のおやつを、僕はガサガサと探し始めた。
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