私の中での猫は忍者。
足音も立てずに素早く屋根の上に登り、瓦の上からジッと我々を人間たちの様子を伺う。必殺仕事人で三田村邦彦さんが演じたかんざし屋の秀のイメージがピッタリ。闇の中を音も無く駆け抜ける影の一匹狼。ネコ科だけど狼。
ところが、わが家の猫様は面倒くさい一面を持っていた。たまに木に引っ掛かっているのだ。木から降りられないと判断するや否や、ミャーミャーとSOSを発信する。しかも煩い。
ちなみに、アイキャッチ画像(上部画像)は、ボツネタ用に作ったもの。勿体ないのでこの記事に転用しました。特に意味はありあません。悪しからず(笑)。
木に引っ掛かる猫
猫様と暮らし始めた頃、彼は室内と屋外を自由に行き来していた。出かける時は、自分で玄関の引き戸を開けて外へ飛び出す。お腹が空いたら、自分で玄関の引き戸を開けて帰って来る。
たまに帰宅の際、玄関のカギを閉める事もあったが、夏には二階の窓から室内に侵入していた。冬は、こたつの中で過ごす事が多い。でも、一日一回のニャンニャンパトロールは欠かさなかった。
元々、外で生活していた猫なのだ。別に2~3日帰って来なくても大丈夫じゃね?。そんな気持ちも強かった。まぁ、猫は猫。人は人だと割り切っていた頃の私の思考回路はそんなものだ。
そんなある日、しばらく猫様の姿を見ない日が続いた。最初は知らんぷりをしていたが、だんだん気になり始めた。今とは違い、猫様を探しに出かけるにも探す場所が分からない。猫様の安否を気にしながらも数日が過ぎた。
その日も、いつものように帰宅し、玄関の戸を開けようとすると猫様の鳴き声が。うちの子の鳴き方は、少し変わっていて特徴的。
「アァッ!アッッ!」
と、短く2回鳴く。それが、私の頭の上から聞こえて来た。鳴き声につられて上部に視線を移す。いつもなら、車庫の屋根か玄関の屋根の上に居る。そして、私と目が合うとスーッと降りて来るのがいつものお約束。
しかし今回は、
「アァッ!アッッ!」
「アァッ!アッッ!」
「アァッ!アッッ!」
「アァッ!アッッーーーーーーー!」
声はすれども姿は見えず・・・。声のする方角に目をやるが猫様は見えない。一度、玄関に入って懐中電灯を手にしてから再度探して見る。照らされたライトの光が猫様の目に反射した。そこは・・・木の上だった。
猫様の身体能力を持ってすれば、この程度の木の上からなら簡単に降りられそうなもの。だがしかし、この木のこの枝だけは苦手なようだ。以前も同じ場所に引っ掛かっていた事があった。アルミ製の脚立を倉庫から引っ張り出して猫を救助。
いつもなら、助けられた事など無かったようにピョンと地面に降りるのだが、この時ばかりは猫様もダメかと思ったようだった。その証拠にずっと私に抱っこされていたのだから。
その日以降、帰宅の時は、その木をチェックする習慣が付いたのは言うまでも無い。キジトラ猫は野生に近いと言われているが、うちの子のスペックはかなり低いのかも知れない。そう思うと、外での縄張り争いでやられてはしないものかと心配にもなる。
うちの猫様が何らかのトラブルに巻き込まれた際、
「何でそうなってんの?。」
こんなパターンが非常に多い。
気づけば、コードに絡まっていたり、
気づけば、紙袋の中に頭を突っ込んで抜けなくなってバタバタしていたり、
気づけば、洗濯機のタンクの中に入ったは良いが、タンクのフタが閉まって出られなくなったり。
天然といえばそれまでだが、結構な決死の覚悟っぷりでやらかしてくれる。数ヶ月に数回、こんなドラマを作り出して飽きない猫様。室内飼いを始めてもヤンチャぶりは今も健在。紐(リード)を付けたままの2度目の脱走劇では、お向かいの家の屋根の上で紐が絡まって動けなくなってた。
私が、たまたま窓を開けて猫様の名を呼んだから良かったものの、真冬の屋根の上で一晩過ごすのはチョット危険だったねぇ~。これまでの経験から、私が呼べば返事だけはしいていたのが幸いしたねぇ~。黙ってたらアレだよ、風邪ひくかあの世行きかのどっちかだったよ。
猫様、最近は非常に落ち着きが無いようだけど、脱走だけは勘弁して欲しいです。夜の散歩で思う存分、ゴロンゴロンはやってるだろうに。父さんさぁ、君が逃げるたびに精神的なダメージ受を結構けてますから。たのむでぇ~、ほんまに(笑)。
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