庵治の石匠と一生本流との出逢いが奏でるハーモニー(高松市)

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庵治石と呼ばれる石材があります。世界最高品質と称される花崗岩。主にお墓の材料として高値で市場に出回ります。墓石の中の墓石。別名『花崗岩のダイヤモンド』。それが庵治石。

石肌に薄らと浮かぶ、滑らかな「斑(ふ)」と呼ばれる模様の光沢は、霞のように儚げで、それでいて気品が感じられます。それは実物を直視しなければ分かりません。庵治石は、有名絵画のように写真では伝わらないパワーが秘められた石なのです。

うどんだけじゃ無い香川県において、庵治石は世界に誇れるブランドとして、永年に渡り認知されて来ました。そのような高価な材料を扱う石職人は、ひとつのミスも無く石を切り、彫り、削りその価値を最大限に高めるのです。

石匠の道と華の道。

それが偶然にも交わった瞬間、ニトロが爆発したような化学反応が巻き起こります。巻き込まれると非常に危険な状態です。偶然、現場を通り掛かった僕は、そのバーストに巻き込まれてしまいました。

ゴソゴソと鞄の中からiPadを取り出しながら。

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庵治石の花器、名前はまだ無い

バーベルのウエイトに無数の丸い穴をあけたような謎の円盤。庵治石を加工して作られた今回の主役。吾輩は円盤である、名前はまだ無い。使い道も分からない。利用者に全部丸投げです。

そこに、ただ存在するだけの丸い物体。遠い未来。僕らの文明を発掘した未来人は、この円盤を見て何を思うのでしょうか?。祈りの儀式に使われたとか、異星人とのコンタクトの道具だったとか、もっともらしい解釈を付け加えるのでしょうか。

謎の物体に目的を持たせたのが、華道(一生本流)の使い手でした。その道30年のベテラン華道家活動拠点は高松市。円盤を見て瞬時にインスピレーションを働かせます。

無機質と有機物との融合。石に植物を組み合わせる事で、ひとつの作品が生まれます。本来の目的がそうであったかのように。花器で無かったものに、花器の役目を担わせます。

こうしながら日本の文化は成熟してゆくのでしょう。無から有へ。人類が文明を発展させて来たように。目的を持たぬ円盤がアイデンティティを獲得した瞬間。花器として生まれ変わったのです。それは素晴らしい出来事だと思います。

僕はただ、目に止まった化学反応をiPadで撮影した。ただそれだけの事なのです。僕を揺さぶる何かがシャッターを切らせ、そしてブログに投稿させた。僕は受け取ったボールをみなさんに投げ渡したに過ぎません。ご興味のある方は、石匠の里(高松市牟礼町)まで足をお運び下さい。

庵治石の円盤は、そこで販売されているそうです。みなさんは、この石細工にどんな存在価値を持たせるのでしょうか?。

友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ 石川啄木

アイキャッチに啄木の歌を文字入れしたのに他意はありません。個人的に好きな歌だったから。何となくですけど作品の雰囲気とも合っていると思います。コロナ禍でどうにもならないと感じたら、自分に限界を感じたら、消えて無くなりたい…そんな考えが過ぎったら。悲観するよりも先に、小さな花を家族とゆっくり眺めては如何ですか?。少しだけでも心が和らぐでしょう。人類とウィルスとの戦いは長期戦なのです。

花を楽しむ心の余裕だけは持ち続けていたいものです。

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