2024-03-16

ショート・ショート

巨大なUFOの黒い影

俺たちは土手にいた。 お日様は暖かいし、やることねーし。川の土手に寝そべりながら、青い空にぽっかり浮かんだ白い大きな雲を眺めていた。俺の隣で寝転んでいるのは、職場の同僚、鈴木である。今年で入社三年目。金なし、趣味なし、彼女なし。こうして転がってりゃ、金もいらない。コンビニでパンとコーヒーを買ってきて、土手でランチがお似合いだ。「佐藤さんよ、彼女できたか?」 鈴木が俺に聞く。知ってるくせに、そんな上等なのいるワケねぇ。「そんなのいるわきゃねーべ、知ってるくせして……」 不機嫌気味に俺は答える。「そうだよなぁ、俺たちいつも一緒にいるもんなぁ」 鈴木が大きくため息をついた。「なーんかさぁ、ゾクゾクす...