2024-03-17

日曜日(ブログ王スピンオフ)

さよなら忍ちゃん

ツクヨ、小二の春休み。  ツクヨの顔から、いつもの笑顔が消えていた。今にも泣きそうな顔である。俺はツクヨに問いかけた。 「どうしたぁ? 腹でも痛い?」  ツクヨは首を左右に振った。どうやら深刻な悩みらしい。 「お前、もしかして……いじめられてんのか?」  一瞬、ツクヨの瞳孔が開く。そうなのか? いじめなのか? 「忍ちゃんが……」  毒舌の、あの子ならやりそうだ……。いじめだろうか? 喧嘩だろうか? 「忍ちゃんが、福岡に行っちゃうの……明日、お引越しなの……」  そう言うと、ツクヨは大声で泣き始めた───春の風物詩、転校である。  翌朝、ツクヨと俺は忍ちゃんへ挨拶へ出掛けた。お別れの挨拶である。...