───こ、これは。
ブラックサンダーがパンになっている。期間限定で発売期間は2022年4月1から5月31日まで。ビジュアル的にも、話題的にも、SEO的にも、これは試す価値ありだった。幸せシールもそう言っていた。だってそうでしょう?、半額だもの。
───おいしさイナズマ級!。
みんな大好き有楽製菓のブラックサンダーは、チロルチョコ、うまい棒と並ぶ、子供達の心を掴んで離さない駄菓子界の覇権である。遠足のおやつとしてリュックの中に忍ばせたよい子達も多いだろう。
───そんな、ブラックサンダーは苦労人である。
1994年、初代パッケージはアルファベットで記載されていた。その一年後、1995年には販売不振により一時中断。九州地区から復活を希望する声が高まり、1995年に在庫のパッケージ分だけを再販したところ、口コミで人気に火が着き現在に至る。ちなみに、全国で販売されるようになったのは2005年からである。
期間限定!ブラックサンダーパンケーキ
パッケージはブラックサンダーを意識したもので、駄菓子コーナーに置かれていれば、大きなブラックサンダーと勘違いするだろう。愛猫サヨリは興味半分のようだった。
───ふんわりザクザクの新触感!。
パッケージの写真からではイメージが沸かない。見慣れた絵柄のパッケージを開くと、そこはドラえもんだった。
───どら焼きじゃん。
僕はパンケーキとホットケーキとの区別が理解出来ない。どちらもホットケーキに見えてしまう。そんな僕だから逆に混乱した。
───やっぱり、どら焼きだ。
目で見て、鼻で嗅ぎ、舌で味わい、脳で楽しむ。
パッケージを開いた瞬間、チョコの香りが鼻孔を刺激する。鼻の奥底から甘い香りに包まれる。上下に重なったパンケーキはフワフワで、指に少し力を入れただけで潰れてしまいそう。チョコレート色のパンケーキから、中に隠れるブラックサンダーを連想させる。口内は唾液が溢れ、その指触りと香りだけで血糖値の上昇を感じた。
───これはあかんやつ。
カカオの花言葉は、片思い。
成就が先か成仏が先か、永遠のダイエッターな僕は、危険と同時に至福を感じていた。喰って良いのは、太れる覚悟のある奴だけだ。ふんわりパンケーキは歯ごたえが無いのにもっちりで、チョコクリームの甘さを舌先へと優しく伝える。
その先にはザクザク触感のサンダーゾーン。ガリっと歯にビスケットが当たる瞬間、美味いの第二形態へと姿を変える。柔と剛、甘いと甘めぇ。つまり、あかんやつの最終形態。舌の上で転がる総熱量317カロリー。
───リピ確の予感。
半額シールが貼られたブラックサンダーパンケーキ。それに出会うかも知れない。失楽園、アダムとイヴ、禁断の果実を記憶した脳は罪深い。その時、こいつを無視して通り過ぎる自信が今のところ…無い。
───控えめに言っても星5つでした。
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