───88円だったら買いだ!。
サッポロ一番みそラーメン、出前一丁、カップヌードル、ド定番商品は一切置いていない。知らないメーカー、こんなのあったの?、そんなインスタント食品ばかりが並ぶスーパーに、僕は時々足を運ぶ。記事ネタになるし、何よりも安い。今時、明星のカップ麺なんて、100円以下じゃ買えないもの。
今日は明星宮崎辛麺と明星熊本マー油とんこつを買って帰った。激辛はお約束、とんこつは旨そうだったから。巨大なペヤングカップ焼きそばが激安だったけれど、あまりにも巨大だったので辞退した。とても食べ切れる気がしなかったからだ。
───どっちを先に食べようか。
とんこつも捨てがたいけれど、僕の胃袋は刺激を求めた。辛さレベル4への興味もあった。とんこつは次回に回して、僕は宮崎辛麺の封を開く。
コタツを無くした愛猫サヨリは、カイロを忍ばせたハウスの中から出てこない。未だにご機嫌が斜めのようだった。彼のご飯はびんちょうマグロ。僕のご飯はカップ麺。
この差は永遠に縮まらないのだろうな。そんな事を考えながらカップにお湯を注ぐ。室温23度。少し汗ばんで半袖シャツなのに。ご機嫌を直して出て来てごらんよ。お刺身2パックもあるんだから。半額だよ、半額。
───今日は、君に…届かんな。
明星「宮崎辛麺」88円

麺、かやく、粉末スープ、調味料。中身はカップ麺の王道だった。粉末スープは辛さを主張する色合いだった。鼻を突く香りも当然の如く刺激的だ。



───お湯を入れて待っている時間が一番幸せ。
期待外れだった時の失望感たるや想像などしたくも無い。そこはメジャーな明星製品。大きく外れる事などありえない。大船に乗った気で3分間を過ごした。

仕上がった宮崎辛麺。見た感じは上場で、辛さ加減に忖度さえなければ、僕の舌に合うだろう。今のところ期待半分である。
───口の中でミツバチが…。
一口啜ると舌先へピリピリと広がる刺激。小さなミツバチが舌を指すような、唐辛子独特の辛さが心地良い。舌先から喉元へと刺激は広がり、胃袋に吸い込まれると同時に食欲が増す。おむすびも買っときゃ良かった。
───後悔の念である。
続けてスープを飲むと、ジワリと額から汗がにじみ出る。しばらくすると、頭皮からも汗が吹き出し始めた。上出来だった。上半身の皮膚から流れる喜びの汗だった。


───辛さはほどほど。
激辛の一歩手前。明星さん、辛さが美味しい。そんな、絶妙なラインを攻めてます。辛いのが苦手な人に勧められない辛さ。けれど、辛いモノ好きなら美味しく頂ける一品だ。
───激辛麺を啜る音。
音に呼ばれて出てきたサヨリ。慎重に刺身の品定めを始めた。額の汗を拭ったら、今度はキミのご飯の番。

───美味しいのお裾分け。
ようやく君に届いたようだ。カップ麺はあげないけれど。マグロを食べてご機嫌を直そう。
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