1969年8月7日に誕生したアポロチョコの響きから、思い浮かぶのは遠足である。300円の予算で買うおやつ。時代は仮面ライダースナック全盛期である。男子たるものこいつだけは外せない。その後に訪れたのは長考である。いつまでも決まらぬおやつ。ひとり、またひとりと仲間が集いお菓子売り場の空気が揺れて、今日のサヨリは猫の日モード。
───それぞれの想いを胸に遠足の本番が幕を開ける。
お弁当が終わると、男女問わず我先にとリュックの中からおやつを取り出す。そんな至福の時間に多くの女子が口にしていたのがチョコと苺のアポロチョコであった。女子のおこぼれ一粒を食べた記憶が昨日の事のように思い出されるのも不思議です。
───僕らの毎日には宇宙開発があった。
1号ライダーの時代は宇宙開発の時代でもあった。戦艦ヤマトも蒸気機関車も宇宙へと旅立った。故にアポロチョコという音の響きから連想されるのはアポロ計画しか僕は知らない。それはあながち間違いでも無い。あの個性的な形状はアポロ11号の司令船からイメージされたものである。
しかし、「アポロ」の名称はそれ以前に明治が商標登録しており、由来はギリシャ神話の太陽神アポロンからであると公式サイトに明記されている。ちなみにアポロの機械から新たに生み出されたお菓子がみんな大好き「きのこの山」である。
───そしてもらった富士山アポロ。
1月に友人から貰った大きなアポロは、猫の日に食べると決めていた。だってそうでしょう?、明日は富士山の日(平成21年12月25日 静岡県条例第72号)なのだから。
レビューを書くなら今日しかない。
───めっちゃデカいのう。
大粒で通常の三倍の苺を使った富士山アポロの存在感は、通常タイプを見慣れているだけにより大きく見え、そして感じた。いつものアポロのように手のひらに数粒乗せて口の中に放り込む代物では無かった。「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」そんな存在感があった。
───これ、あれ?。
遊びに来た知人に振るまいアポロ。幼少期の想い出に浸るつもりが「あれ?」の一言で現実に引き戻された。もうね、高齢者は「あれ」と「これ」だから嫌になる。歯にもガタが来ているのだろう、チュッパ、チュッパとアポロ舐めている。で、見るよね、箱。若いときには絶対見ない箱を読みながらチュパチュパが続く。
───これは静岡?、山梨。
やはりそうなる。このアポロは静岡のお方から頂きました。故に今日の世界遺産は静岡からです。パッケージの富士山は葛飾北斎の「凱旋快晴」からデザインされたもの。これだけでも御利益ありそう。手を合わせて頂きます。
粉雪、細雪、深雪、内田有紀。富士山にあやかった超大粒のアポロの最大の特徴は、なんと言っても雪を模した最上段のホワイトチョコ。頭を雲の上に出し、富士は日本一の山である。上段のホワイトチョコと中段の苺チョコとが相まって贅沢な甘さが口の中に広がるのです。
友よ、美味しくて珍しいアポロチョコをありがとう(笑)。
───食べ応え1000%のお味でした。
明日は全国的に天皇誕生日の祝日であり富士山の日です。僕は今から朝まで仕事だけれど、みなさんは素敵な休日をお過ごしください。
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