猫の話などナンボでも書ける。
真ん中もっこり水曜日、その考えが甘かった。月曜日から日曜日までの一週間のお題の中で、僕の時間を著しく圧迫するのが水曜日。老猫だもの……変化もなければネタもない。そして、このご時世である。生半可な知識で猫を語るのも危険が伴う。つまり……今のやり方はもう、限界。
猫の知識を書くのなら、虎の巻も実はある。友人がくれた猫本を元に書けばよい。一年前ならそれをネタにもできただろう。とにかく今は時間との戦いで、今日もサヨリは元気です(笑)
書籍の知識をダラダラと書くのも、何かが違う気がしている。それは、誰かが必ずしていることで、僕でなくても構わないのだから。そこで僕は考えた。小説へと大きくシフトしているブログなのだから、猫をテーマにしたショート・ショートを書けば、僕への負担も軽くなるだろうと。てか、軽くなる。
その発想から、数本のショート・ショートを書いてみると、あら不思議(笑) 幸いにも、これまでのショート・ショートの中に猫が主役の物語もない……はず? つまり、これならイケる! ということで、よさげな一本の冒頭部分を書いてみようと思う。何が言いたいのかと言うと、次週から猫のショート・ショートに路線変更いたします(汗) ちなみに、サヨリの体調不良とかの理由ではありません。今日もしっかり、飯食っています(笑)
───白い猫
僕は毎朝、電車の中で彼女を探す。
初めて彼女を見たのは高1だった。同じ時刻、同じ車両に彼女は乗っていた。名前も知らない彼女の姿。それを探すのが僕の楽しみになっていた。高3になった今でも続いている。見てるだけ。それで幸せ。もう、立派な変態さんだな……僕は。とはいえ、この生活も高校を卒業すれば終わってしまう。告ることすらできないだろう。でも、それでいい。あんなに可愛い彼女である。彼氏がいるのに決まってる……。
春休み、夏休み、冬休み。僕はそれが嫌いだった。だって、そうだろ? 何日も彼女の姿が見られない。高校最後の夏休み。窓越しで空が荒れ狂う。僕は二階の自室から、強風で流れる雲を眺めていた。今日は一日、台風日和で外に出ることもできやしない。あ。台風なのに……コロッケ買うの、忘れてた(汗)
風の音に紛れて鈴の音か? ベランダの隅から聞こえる鈴の音。不規則に鳴るチリンチリン……それがとても気になって、窓を開けると猫がいた。僕の部屋を安全地帯だと認識したのか? 音も立てずに、僕の部屋に飛び込む猫。赤い首輪の白い猫。控えめに言っても、毛並みよき美人さんだ。僕は猫に話しかける。
「こんにちは。雨宿りしていくかい?(笑)」
僕のベットの下に潜り込んだまま、白い猫は静かに辺りの様子を伺っている。ピクリとも動かずに……。
次週へ続く……。
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