「あらら…。本当にキャリーバッグの中で寝ているんだぁ。呪いのキャリーバッグの中でお父さんを待ってるんだぁ。お父さんは、感動とともに軽くビックリしています。」
「お帰りなさい、お父さん。夜になると、そこそこ涼しいですからね。キャリーバッグの中でも十分寝られますよ。お盆を過ぎれば、どこかへ連れて行ってくれるのでしょ。それまでは、こんな感じで暮らしますよ。にゃ、にゃ、にゃ。」
「そっか、あと半月頑張るか。そんなサヨリちゃんに朗報だよ。来週、お兄ちゃんが帰って来るから、どこかへお散歩へ行けるかも知れないよ。」
「ホントですか?、お父さん。お兄ちゃんが帰って来るというのでしたら、あながちガセでも無さそうですね。で、いつ帰って来ますか?。」
「来週早々の予定です。」
「にゃ、にゃ、にゃ。待った甲斐がありました。ボクはね、お昼は苦手なので、早朝か夜のお散歩が希望です。お父さんには分からないでしょうけれど、お昼のアスファルトの温度は50度を越えたりするんですよ。裸足のボクに歩けたものではありません。」
「それは知っているよ、サヨリちゃん。だから、お散歩へ連れて行けないと言っているではありませんか。夏の間はお遍路にゃんをはじめ、全ての野外活動を停止しているのはその為だよ。猫といえども熱中症は怖いからね。」
「暑いとボクは口を開けて、はぁ、はぁ、しますからね。ところで、何処へ連れて行ってくれる予定ですか?。」
「石あかりロードなんて如何かな?。去年もこっそり行ったしね。そんな石あかりロード、今年は8月5日からはじまるよ。土日は人が多いから、平日の晩なんかどうですか?。」
「お兄ちゃんたちと一緒なら人が多くても良いと思いますけれど、お父さんと二人っきりなら平日が良いかも知れませんね。何かとボクと一緒なら気を使うでしょうから。でも、ランチュウの金魚すくいというのが気になっていたりもするのですけどね。」
「そうだね。お父さんも、ランチュウの金魚すくいは気になっています。いつ行くのかは未定ですけれど、石あかりロード路線でスケジュールを組むから楽しみにしていてね。」
「分かったから、約束は守れよ!上田。」
「はいはい、TRICKですね。全部すべてすりっとまるっとごりっと段取りしましょうね。」
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