四季なり苺「よつぼし」中間報告

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よつぼし(いちご苗)
自家菜園
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――出来るもんだねぇ。

 出来ちゃうものだと我思う。出来ちゃったと言うべきか。四季なり苺「よつぼし」である。

偶々、コロナで。

偶々、人手不足で。

偶々、桃畑の手伝いを始めて。

偶々、その隣がオカンの畑で。

偶々、オカンが入院したから。

 そんな気まぐれで始めた自家菜園であった。主たる目的はさつまいも栽培とブログの記事ネタだった。どんなに書く事が好きでも、どんなに書くことが得意でも、毎日ブログを書き続けることは想像以上に面倒くさい。それを誰よりも知っている僕である。『継続は力なり』そう簡単に言って良いものじゃ無い。だってそうでしょう?、継続とは、サマンサの鼻ピクピクくらい難しいのだ。これが分かるアナタ、そりゃもう、昭和です(笑)。

――そこから偶々がエンドレスで続く1年を過ごした。

 社会に出ると1年前の記憶など曖昧である。幻だと言っても過言じゃ無いほど思い出せない。幼稚園桃組の春、小学生3年の夏、中学2年の秋、高校3年の冬……ランダムにその頃を思い出して欲しい。自分が何をしていたのかを簡単に思い出せる筈である。社会に出てからの記憶が思い出せないのだ。なのに去年は、手に取るように思い出せる1年であった。こんな経験、そうそう歳五十を過ぎてから出来るもんじゃない。何処を切り取っても輝いて見える。眩し過ぎて涙出る。ドラマでも見ているような1年だった。

偶々、僕のブログが好きだという人が現れて。

偶々、その人がメールをくれて。

偶々、やり取りが続くようになって、そして、友人になった。

 友人が自家菜園者であった事実も偶々である。初めての野菜づくりが始まると、友人からのメールが増えた。

――ホムセンが苺畑やん?。

 目的だったさつまいもの収穫前。じゅんこ、ももえ、まさこ、畑のアイドル玉ねぎ準備の9月の衝撃。ホムセンに苺の苗がずらりと並んだ。どうしよう、苺は好き。でも作れる自信がまるで無い。あんな美味いの、虫や鳥が放っておくワケが無い。山の畑に苺だなんて、それこそブロンド美人がスラム街を裸で歩くようなものである。もしくは、お盆を失ったアキラ100%くらい儚げだ。だから、実らせたら何かに喰われて終わる未来しか僕には見えない。けれど、何だかやらないといけない気がした。

偶々、選んだのがよつぼしだった。

偶々、よつぼしが友人の心を射貫いた。

 これで偶々、苺が出来たら……そんな事など無いだろう。そんなに続くかよ、偶々なんて……。ご都合デパートな韓流ドラマでもそれは無い。冬場はランナーと変てこな葉っぱをハサミで切った。それ以外、僕は何もしなかった。見た感じ元気そうに見えたから。冬も和らぎ、春の風が畑の中を駆け巡る。その頃になると、白い苺の花が咲き始める。初めて見た苺の花が可愛らしく見えた。

――『末くらい いちご花 受粉わかる?orハチくる?』

 大丈夫だったよ、畑にはたくさんのハチがいたから。たぶん大丈夫だと思う。

 純白の花びらが春風に散り徐々に苺のカタチになってゆく。白い花が赤い実に変わる光景が不思議に見えた。これ、ホントに苺になるの?。その不安が何処かにあった。途中で苺の摘果を始めた。変わった事はそれくらい。あとは行く末を見守るだけであった。苺らしき三角錐は、ゆっくりと赤味を増して苺になった。

よつぼし収穫

――4月27日、1粒採れた。

 甘くて、酸っぱくて、強烈なストロベリーの香り、苺だった。僕の知る限り、苺のお手本のような苺である。しれっと、スーパーに並べても買ってもらえる自負もある。喰って良いのは、喰われる覚悟のある奴だけだ、この苺なら毎年食べる!。そんな気分にさせられた。

4月27日、1粒(1粒は青虫に喰われた)。

4月30日、4粒。

5月02日、4粒。

5月04日、3粒。

5月07日、5粒。

 3株から合計16粒の苺が採れた。収穫高が多いのか、それとも少ないのかそれは知らない。仮に少なくても四季なりだから次回に期待するとしよう。これだけの偶々が重なって、様々な想いが乗っかって、この場所に存在するよつぼしである。どれが欠けてもここに無い特別な苺である。だから育て続けて株も増やそう。自分も喰うけど畑の女神への貢ぎ物84%の気分で作ろかな。『100%で全力デス!』なんて書いたら『無理はしないで』と言われそう(汗)。先ずは一期が終わったばかり。よつぼし収穫はまだこれから……の筈である?。変化があれば記事に記すし、何も無ければ察して下さい。

 現場からは以上です(笑)。

コメント

  1. 雉虎さんのよつぼし苺の画像。僕以外にも待ち受けにしている知人が5人います。受験生の子は結果が実るようにと合格祈願で、他の人は恋が実るようにとか、これからは実りある人生になるようにとか、なんか、わからんけど全てが上手くようにと、次々と結果が実るように…。もうね、よつぼし苺が縁起物になってますよ(笑)

    • うわぁー!、なんか凄い。苺の花言葉は幸福な家庭とも言いますから、みなさんの未来に幸あれという気持ちで育てます(笑)。よつぼし苺のご利益がありますように。

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