枯れた苺に白い花

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自家菜園

 枯れた苺に希望の光。

 無残に枯れた茎の隙間。そこに、点のような緑が見える。もしかして……でも、確信が持てない。老眼鏡、持ってない。見えなくても打つ手はある。謎の緑をスマホで写して持ち帰ろう。

 これは、誰が見ても新芽ですよ!

 新たな偶然が顔を出す。拡大画像で確信したのだ。偶然の連鎖が終わらない。最悪からの脱出劇に我思う。

 どう考えても出来過ぎだ。

 我が半世紀の人生を振り返っても、この感覚の記憶はない。真実を知ったあの日から、何かのレールの上を走り始めた感覚があった。そこから始まる怒濤の日々の連続に、今日もサヨリは元気です。トラブル起きてもハッピーエンド。何かが起きるとシンクロニシティ。

 そんな事ってある? 

 枯れたよつぼしだって同じである。この息吹いた小さな芽だって、やがて大きな葉になるのだろう。次々とランナーを伸ばし次世代へ命を繋ぐ。そんな未来がリアルに見える。とは言え、最悪を乗り切ったのだ。今は取りあえず笑って過ごそう。真の戦いはこれからなのだ。

 夏の日差しが厳しさを増す。苺は暑さに弱いと言われる。この局面、友人からの秘密兵器の出番である。昨年の夏、僕に渡したくて渡せなかった秘密兵器。使うぜ、こいつを。そう、一瞬考えた。けれど、兵器のサイズがデカ過ぎる。友人の愛がデカ過ぎた。今のプランが成功すれば、お盆の頃に秘密兵器の出番もある。嫌でも畝一面が苺の葉で覆われるはずである。

せっかくだから、デビューは派手にしてあげないと。その時まで、取っておきは温存しよう。だから、苺の日よけにすだれを使った。

 よつぼしの葉は、水を与える度に大きくなった。葉の数も見る見る増えた。それでも、まだまだ気が抜けない。せめて、ランナーの向こう側。株分けを確認するまで気が抜けない。だから、苺の悲劇は、僕と友人の胸に留めた。

 実は、よつぼし枯れました。

 相棒にそれを伝えるまで、それから数日の時間を要した。だってそうでしょう? 願いが実るよつぼしだもの。みんな楽しみにしている苺だから。口が裂けても言えやしない…

 ようやく、相棒に事実を語れたのは、子株が活着した後である。苺はランナーと呼ばれるラインから、自分の分身をコピーする。ランナーから生まれた苺の株は、親株の分身なのだ。真実を相棒に告白した数日後。よつぼしに白い花が咲く。もう見られないと思っていた花である。枯れたよつぼしの隙間から、新芽を確認して一ヶ月後の出来事であった。

 えぇ~、そんなに早く育つの? 

 そう言われそうだけれど、僕のジャネーの法則は壊れてしまった。去年まであっという間だった一日を、今年はいつもより長く感じている。ふたり分、生きようとすると、そうなるのかも知れないな(笑)

コメント

  1. なんかもう…イチゴの花が神々しく見えてしまう…。ダメかもしれないと思っても見捨てたらダメですね。あっ、あのビームが効いた? 今後も暑さが心配ですが、無事に夏を乗り切るように願っています。よつぼしも雉虎さんも。

    • ありがとうございます。水を浴びるように与えていますが、気温にどこまで耐えられるか心配しています。お盆が過ぎるまで警戒を強めて見守ります(笑)

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