「お父さん、七夕飾りをしましょう。」
「えーーーっ、面倒くさいんだけどぉ…少し。」
「アレ、もらったじゃないですか?。七夕飾りをしませう。」
「『せう』って、なんて古風な。でもね、七夕過ぎちゃったし、昨日だったし。」
「いいアル。七夕は全国の良い子たちのビックイベントね。子どもから楽しみを奪うのは大人として恥ずかし事ね。七夕しようーーー、七夕しよーーー、ねぇ、銀ちゃん!。」
「いきなり神楽?、いきなり銀魂?。もう、しゃぁ~ねぇ~なぁ。アレだよ、今回は特別だからね。わかったかな?、新八。」
「嫌だなぁ~、新八は無いですよ。でも、了解ですよ、お父さん。今すぐお願いします。」
「ちょうちんですね。簡単なやつから始める作戦ですね。わかります、わかりますとも、お父さん。」
「ところで、サヨリちゃん。七夕飾りに必要な折り紙って何だか知ってる?。」
「当然です。そういうのは常識というものです。今時、小学生でも知っていますよ。」
「ホントかな。じゃぁ、言ってみてよ。」
「お若いの、ワシを試すつもりかのう~。」
「お前、誰だよ。茂ジイかよ。」
「七夕飾りは全部で8つあります。ひとつめが、だんざくぅ~。」
「うん。」
「きんちゃくぅ~。」
「はい。」
「せんばづるぅ~。」
「はい。」
「くずかごぉ~。」
「凄いね。はい。」
「とあみぃ~。」
「がんばれ。」
「ちょうちんーーー。」
「もうちょっと。」
「ふきながしぃ~。」
「あと1個!。」
「ちゅーるぅ。」
「違うだろ!。」
「冗談ですよ、お父さん。紙衣ですよね、かみごろも。以上、全8種です。」
「最後だけ漢字でしたね、サヨリちゃん。でも、よく出来ました。ご褒美に、ちゅーるも一緒にお飾りしてあげましょう。夜に1本だけあげますね。」
「ホントですか、お父さん。」
「七夕飾りを見てごらん。」
「やったぁ~。アナタ、今夜はちゅーるよ。早く帰って来てね。」
「サヨリちゃんは、そんなのどこで覚えて来るのかね。そもそも、そんな会話は昭和のドラマか綾小路きみまろさんくらいしか使わないだろうに。」
「やった。ボクの七夕飾りが出来ました。ちゅーるが3本もぶら下がっていますよ。お父さん凄い。お父さん天才。お父さん、女子力高い。七夕飾りがあるのです。だったら、アレ、して下さいよ。アレ。」
「はいはい、アレね。石あかりロードまで温存しておこうかと思っていたのだけれども、七夕様も飾ったことだし、やってみますか。」
「はよう、はよう、近う寄れ。」
「こんな時、男の子は慌てちゃ駄目だぞぉ。そんな事してると、ガッツイた男に見られてゴール直前でコースアウトしちゃうぞ。過去、どれだけの殿方が涙を流して来たことか。アレについては、次の記事に回します。よろしいですね、サヨリちゃん。」
「そうですね少し待ちます、お父さん。」
「よし、良い子だ。」
つづく…。
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