龍に見えた雲(自家菜園初日)

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畝を耕す
自家菜園

───やりたきゃないけど、やるっきゃない!。

荒れた畑の真ん中で、腕組みしながら考える。土を鍬で耕し、野菜を植える畝(盛り土)を作り、山で竹を切って支柱を作る。トマト、茄子、きゅうり…野菜の苗を買ってきて、それを植えてからがスタートライン。

───小洒落たガーデン、取れ高よりもインスタ映え。大きなパラソル買ってこよ。

なぁ〜に、農協ふれあい市場に出荷する魂胆でも無いのだ。味や形は別として、出来過ぎたら全世界の同胞たちに振る舞えば良いだけの話。このご時世、この物価高、タマネギでさえも高級品。身近に喜んでくれる人がいるに決まってる。

───先ずは鍬で耕そう。

それをやろうとしただけで、小さな箱庭がモンゴル帝国に見えるのも不思議です。鍬を振っただけなのに、ものの2分で吹き出す汗。違和感というより、嫌な予感。腰に、足に、節々に、明日の朝は大変なのだろう。今日の作業予定は2時間。2リットルのミネナル麦茶が見る見る減った。

───チャリとは違うのだよ、チャリとは!。

時速30キロのシルバーボディ。秘密兵器を導入した。そう、スクーターである。思い切って中古のスクーターを購入したのだ。これで、自転車移動分の体力が温存できる。ヘトヘトになっても構わない。

スクーター

スクーター購入までに小さなドラマ(喜劇)もあったのだけれど、それはまたの機会に回すとして、今は目の前の荒れ地である。モンゴル攻略が本丸である。

───どこから手を着けよう?。

まずは一本、土を耕す。耕しながら動線を考える。今の状態では歩行スペースが狭く、畝も長すぎる。1本の畝を半分に分けて、もう少し畝幅を広げて、真っ直ぐな1本をまず作ろう。そっか、長い紐が必要だな。耕せるだけ耕して、畝作りは明日にしよう。あれこれ構想を練りながら土との格闘を続ける。

───何んができよんな?。

格闘中の畑は道沿いに位置し、地元の知人がバンバンと通る。ほぼ全員が農業のプロ。口も荒けりゃ、声もでかい。かくかくしかじかと状況を説明するだけで、プロからのご指導が始まる。土地と地域で状況が異なるのが菜園である。鍬を持つだけで地元の生情報が入るのは助かる。

───まさに、打ちっ放し。

人それぞれ信念とか、ポリシーとか、拘りがあって、ひとつの畑に対する解答が多く、頭の中がカオスになった。ゴルフの打ちっ放しに上司と同行した若い頃を想い出す。それぞれフォームに関してのうんちくが違う。最後は数人の上司の前でドライバーを振らされたものだった。ゴルフ会員権が飛ぶように売れた時代の話である。

それは今後の課題、黙々と土を耕す。そのうち、痺れを切らせて誰かが何かの苗を持って来るのだろう。田舎だもの、そうなるに決まってる。おせっかいさん、ウェルカムっす。

ついでに竹とか持ってこないかな?、鳥よけ網とか持ってこないかな?、メロンとか…それは無いか。スイカの可能性は否めないぞ。

───エーデルワイスの花言葉は勇気と忍耐。

五剣山の麓から鐘の音が鳴り響く。午後6時を告げるエーデルワイスで時間終了。農具を片づけ天を仰ぐとゆっくりと流れる雲が、どことなく龍の姿に見えた。

龍に見えた雲

───明日も2時間、がんばるべ。

苗の植え付けは月曜日の予定。トマト、茄子、きゅうりあたりでしょう。

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