風ニモ負ケズ!鷹型凧はカラス避け

麦わら帽子、買いました
自家菜園

畑遊びを始めると、見えないモノが見えてくる。天空に張り巡らされたテグスとか、風にたなびくコンパクトディスクとか、魔法少女が使っていそうなキラキラテープとか、君に届くと死ぬ方の貞子にしか見えないカカシとか、無造作に掘られた穴でさえ何かしらの意味がある。

───そして、青空に翼広げる鷹型の凧。

それは畑を守る上空防衛決戦兵器である。

畑はいつも南風。すばる望遠鏡の最大幅と同じ、標高27.2メートルの高さからの風当たりはキツく、凧はいつも天高く舞い上がる。その役割はカラス避けである。この辺りでは、烏の被害は多いらしく、その脅威は君にどころか僕の耳にまで届いていた。畑のゴジラが猪ならば、カラスは畑のギャオスと言ったところ。ラスボス級の敵への対抗手段として様々な色の凧が舞い上がる。

───これ、欲しい。

だってそうでしょう?、みんな持ってる。

常々そう考えているのだけれど、ホームセンターで尻尾巻く。予算オーバーでゲームオーバー。その日から、よそ様の鷹を指を咥えて眺める日々の始まりだった。隣の芝の青さたるや、もうちょっと、もっとこう、こっち側で上げてくれれば良いのにな。僕の畑が烏の標的になるのも時間の問題なのである。

───今日の風は強くて僕大好き。

気温予想は34度。でも、そんなの関係ねぇ。たとえ気温が高くても、今日の風は超巨大なサーキュレーターの風に当たっているかのようである───つまり快適。体感温度が一気に下がる。晴天なだけに自然のルーストバリケーンが心地いい。その一方で、強風の煽り運転に凧の動きが激しさを増す。カッケーなぁ、こんなの欲しいなぁ。スネ夫に新しいラジコンカーを自慢されるのび太のような気分である。見渡す限りだけでさえ、5体の凧が上空から畑を守っている。

───これでは烏も近づけまいて。

僕が買えない大きな凧が上下左右に激しく動く。その動きはまさに生きた鷹であった。飛んでいる鷹の動きを見たこと無いけど、ここの烏だって鷹なんて見たこと無いだろうに。本能的に危険を感じているのだろう。烏避け効果は抜群である。

───良いなぁ〜、やっぱり欲しいなぁ〜。

嫉妬すら追いつかない、憧れすら届かない。この歳にもなってから、畑のゲイラカイトを欲しがるのも不思議です。

───ゴゴゴゴゴ!。

突風に麦わら帽子が飛ばされる。ライ麦じゃ無い方の畑で麦わら帽子を捕まえて、南の空に目を向ける。ゴゴーっという二度目の爆音の後、凧がドンドン小さくなって、瀬戸の海に吸い込まれて消えた。それと同時に購入意欲の糸まで切れた。

サヨリは今日も元気です。

コメント

  1. 目前の惨劇。ある意味、良かったですね。こんな事もあるんだよ、と風が教えてくれて。風だってね、僕大好きとか、告白されたら味方するってね。さすが、空海さん、ゆかりの地。空も海も見えない力を感じさせます。

    • あんな事が起こるなんて…。「タカ飛んでったでぇ」って教えたら「またか!」って返事が返って来たので定期的に買っているようでした。一撃三千円ですから手を出さなくて正解でした(汗)

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