この土地で不耕起栽培やってみたい

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自家菜園

「畑の申し子ぉ~!」

「誰がやねん?」

振り返れば奴がいた。ニヤニヤしながら畑がしたいと話を切り出す。今から一緒に?、これから一緒に?、耕しなんかに行きたくなくて、こちとら、嫌ー、嫌ー、嫌ーな気分だよ。これがファーストインパクト。それから定期的に己の畑に僕を巻き込もうと企てる友人がいる。いわゆる腐れ縁。彼とは中学からの付き合いである。

───さて、根性試しをば。

寒さが厳しくなり、「お前の畑、いつやるの?」鎌を掛けると「春になったら」と笑って答える。雪が溶けて川になってからじゃ遅いだろ?。畑はそんなに甘くない。ワンシーズンを棒に振る。けれどもそんな助言などしなかった。だってそうでしょう?、やりたく無いもの。この船には、乗り掛かりたくない理由があったのだ。たとえ相手がルフィーでも。

───この土地は、謎の地下茎の巣窟だから。

過去に彼の土地を耕した経験があった。雑草処理を始めると生き地獄が待っていた。足元に広がる大宇宙には、謎の地下茎がエイリアンの如く広がってたのだ。土地全体にである。雑草を抜き、図太い地下茎を掘り出し、畝を立て、後の全てを彼に任せ、僕はしれっと手を引いた。当時の僕は全く畑に興味が無かったのだ。今から8年前の話である。その翌年には彼の口から畑の話題を耳にした記憶は無い。

───野菜いるか?。

彼の畑にはノータッチだったけれど、それ以外の付き合いは割と濃い。だから、彼の家に野菜のお裾分けも当然の成り行きである。それが焼けぼっくりに飛び火した。「畑やろ!」そのオーラはサイヤ人。もちろんスーパーの方である。二言目には畑の話。だったらやれば良いじゃないの?。

───全くワクワクしないけど、状況だけでも見とこかな。

いつもそう、いつだってそう。遅かれ早かれ巻き込まれる運命である。心のネジだけでも巻いておこう。そんなぶらり散歩気分で、かつて耕した土地を見てワクワクするのも不思議です。

───これ、不耕起栽培出来ないか?。

スコップ、手袋、土嚢袋───コレが僕の三種の神器。何かを感じてスコップを取りにバイクに戻る。うちの畑だってこんなに雑草生えてない。2月に生い茂る雑草に何かしらの地力を感じた。雑草が元気ハツラツだったのだ。木は抜かなアカンけれど…。

───無言でスコップを土に刺す。

力を入れずしてスコップがスーッと土に吸い込まれる。これが私の生きる道くらいの良い感じ。畑の教科書、きゅうりのページが目に浮かぶ。きゅうりと雑草はお友達。このまま苗を植え付けたら良い感じに育ちそう。不耕起栽培、これは良い、凄く良い。僕と同じで面倒くさがりな彼である。お試しで春野菜は草刈りだけでやってみないかと持ちかけた。

「え?、手で掘った?」

「スコップに決まってる」

「わざわざスコップ持ってきた?」

「いつもバイクに積んである」

「wwwwwwwwwwwwwWWWWWWWW」

スコップが彼のツボにはまって草生えた。畑の話はどこかに飛んで、今日もサヨリは元気です。釣り人は竿を車に積んで、ゴルフ好きもクラブを車に積み込んで、僕がスコップを常に持っているのがそんなに不思議か?。お前の笑い袋はどこで壊れた?。レベッカのフレンズか?。

───笑いすぎて息も絶え絶え。

キョトンと見ている僕を尻目に腹を押さえてのたうち回る。「スコップ、スコップ・・・」スコップの何処が面白い?。笑いのツボが全く分からん。早く正気に戻ってくれ。でなきゃ自分の星に帰ってくれ。落ち着くまで待ってから不耕起栽培の話を進めた。でも、これはこれ、それはそれ。予想通りに返事を渋る。まぁ、耕したいよなぁ~普通。去年の僕なら普通に耕す。話は暗礁に乗り上げてしまったのだけど、お試しで、一角だけでも不耕起で何かを植えてみたい欲求残る。きゅうりは良いぞう、きゅうりは。

───スコップぅ~。

お前、狩野英孝か?。

あの日以来、僕の呼び名はスコップになった。しばらくそれが続くのだろう…。まぁ、別に良いけど(笑)。

コメント

  1. 不耕起栽培、ある意味勇気が必要かもしれませんね。私は好奇心を押さえられないので、労力的、金銭的に負担も無く自然に逆らわないやり方ならどんどん試してしまいます。思い通りにならなくても成功しても、家庭菜園ですもの。商売でやっていないから怖いモノ無し!。色々とやり過ぎて、二つ名が「チャレンジャー」に始まり、今では、ここには書けない名前を頂きました。スコップ‥可愛いです(笑)。

    • 謎の地下茎問題さえ無ければ不耕起栽培をプッシュするのですが、お互いにそれ知ってるだけに掘り起こす事になるのでしょう。でも、端っこだけでも実験してみたい欲求は消せません。ここの畑には夏にキャベツを植えて、ちゃんと虫除けネットも張ったのにアオムシで全滅しました。以前から書いている僕に葉野菜のトラウマを植えつけた場所でもあります(汗)。

      • 謎の地下茎?、興味をそそられます。ご近所なら見に行きたいなぁ。アブラ虫で全滅‥はキャベツかわいそうでしたねぇ。私はアブラ虫対策に虫除けネットと、竹酢液(木酢液)の希釈液での虫除けと、アブラ虫の天敵のてんとう虫を捕まえて「ほら、お食べ」と畑に放したり‥。昼休みに職場の裏の空き地でも、虫カゴを持って、てんとう虫を探していたら呆れられましたが‥。そうそう、土壌の窒素過多もアブラ虫の原因になります。

        • ごめんなさい。アオムシとアブラ虫間違えました。かなり前、アオムシ対策に天敵となる蜂がいると聞いて、蜂が好きそうな物をわざと置いたり植えたり、試行錯誤した事があります。益虫が増える畑にするのはひとつの手段なのですが、なかなか難しいですね‥。

          • いえいえ。アオムシもアブラムシも厄介ですよね(笑)。うちの畑はスズメバチがビュンビュン飛んでいるのでアオムシ退治してくれるかな?。理想はミツバチなのでひまわりを育てて呼び込む作戦です。

        • わかるわ〜てんとう虫。今では1月でもてんとう虫の姿があるけど、畑を始めた頃にはてんとう虫の姿なかったから。どこかで捕獲も検討しました。アブラムシが一気に湧いて、次いでてんとう虫も一気に増えて、何となくバランス取れた気もしていますがこの春以降どうなる事やら。もみ殻を大量に入れているから窒素過多は免れるかもです(汗)。

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