うちの猫の奇妙なお願い

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ミルクグラスと猫
うちの猫の話

───仔猫は可愛いの暴力、成猫は癒しの極み、老猫は不思議ちゃん。

年齢ごとに猫は様々な顔をみせます。それは犬も同じでしょう。愛猫の仔猫の時代を知らない僕でさえ、仔猫の愛らしさは想像に難くはありません。目が合うたび、背中を撫でるたび、抱っこするたび、その全ての瞬間で飼い主は目を細めるものです。たまにはお痛もするでしょう。しかし怒る事はありません。

───悪戯さえも愛おしい、そう言う事です

あっと言う間に可愛い盛りも過ぎ去り、生意気盛りがしばらく続きます。やがて緩やかに歳老いてゆきます。人間の1年は猫の3年。年下だった愛猫も、人間換算すると僕の歳を越えてしまいました。Wおじいちゃんの出来上がり。その時期から、僕は敬意を込めて愛猫の名前を「サヨリちゃん」から「サヨリさん」と呼ぶようになりました。特に理由はありません。自然にそう呼ぶようになりました。

平成が終わり、令和に入った頃。サヨリさんの動きはのっそりと緩やかになり、眠る時間も長くなります。猫特有の夜の運動会やトイレダッシュ(トイレハイ)さえ見る事も無くなりました。猫じゃらしは子どもの遊び。静かで穏やかな刻だけが流れてゆきます。可能な限り生きて欲しいと願う毎日。13歳(推定)を過ぎた頃から奇妙な行動を取り始めました。下あごの犬歯(牙)が2本とも抜け落ちた時期。

───ご飯を半分残すのです

半分だけ食事を残しその場で待つ猫

猫のご飯はビンヨコのお刺身

───美しい姿勢でお皿の前でお座り。

時折、僕の顔を見て目が合えば逸らす。何か言いたげに静かにその場に佇む背中。お皿を持ち上げ、口元に近づけると残りを食べ始める。勢いよく綺麗に残りを食べきります。そんな毎日が半年ほど続と、次はミルクでも同じ行動を取り始めます。ミルクを半分残しグラスの前でお座り。グラスを口に近づけると続行だ!。空になったグラスを見つめ、僕を見つめ、冷蔵庫へ視線を移し、お代わりの要求も日常茶飯事。

───自分で飲めば良いのに

ミルク大好きサヨリさん。好き過ぎるミルクはディナーの後で。ミルクで満足してもらっちゃ困ります。ご飯も食べてもらなわないと。折角のお刺身が台無し。金銭的にも精神的にも地味にこれが痛い。そうこうしているうち、徐々にサヨリさんの要求はエスカレート。よそ様から見れば、愛猫の食事風景は奇妙に映ります。

───何それ?、毎回、それ?

サヨリさんの食事姿を見られるといつもそれ。だってそうでしょう?、お姫様だっこされた猫が、飼い主にご飯を食べさせてもらっているのです。普通に歩けるし普通に動く。そりゃ、誰だって驚く。僕だって驚く。でも、そうしないと食べない不思議ちゃん。お皿に盛りつけたご飯では、口も付けずにずっと待っているのです。食欲が無いわけではありません。僕の手からだと普通に食べる。逆に食欲は旺盛。

───もうね、この子を置いて先には死ねない

5年間もTwitterからの猫ツイートを見ていると、それなりの覚悟も出来たつもりです。猫の平均寿命は15.45歳(令和2年 全国犬猫飼育実績調査)。明日、来月、来年、数年後…。この先どうなるやも知れません。後悔だけはしたくない。最初で最後の猫だから。愛猫の要求に従い始めて1年が過ぎました。もうちょっとだけこの生活は続きそうです。

───そうですね、一日でも長くお願いします。

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