どうして女の人の話は回りくどいのだろう? もっと、ストレートに話せばよいのに……。同僚ワーちゃんもそのひとりで、今日もサヨリは元気です(笑)
1学年とは言え先輩なのだ。かれこれ40年以上も昔からの先輩である。なのにお願い事が回りくどい。話があるなら、ビシッと直球で言えばいいのに。借金のお願いでもなかろうに。そう、ときどき、まれに思う。
ワーちゃんはアレルギーたっぷりな体質だ。だから、数年前から好きなものが食べられない。讃岐の地でうどんが食べられない。パンもケーキも食べられない。数ある中でも小麦アレルギーは致命傷だった。そんな地獄の中で生きている。だから、畑で採れた野菜を定期的に供給している。何でも野菜は食べられるようで、僕の野菜を喜んで持って帰っている。
そして、お返しに別の食べ物を僕にくれるのだ。毎回じゃないけれど、たまにくれる。過去の記事にも書いた〝おいもあんぱん〟もワーちゃんがくれたパンである。「記事ネタにしてね」と言いながら。その一言までが回りくどい。「うーん」とか「あーん」とか。なかなかどうして、本音を吐かない。
もらった食材。そのすべてを僕が書くとは限らない。大きく胃袋が揺れたなら記事にするけど……。それが分かって渡そうとするのだから、遠距離から話を詰めようとするのだろう。
で……今回は、あたり前田のカラッとおから。
「これ、おいしいよ」
ワーちゃんは、僕に黄色い箱を差し出した。
「うん、ありがとう」
施しを受けたら、ありがとうは基本である。
そこから始まる商品説明。カラッとおからは食物繊維たっぷりで、ワーちゃんからの口コミ情報もたっぷりだった。僕が乗り気でないと悟ると、ゴムゴムのぉ~ってほどに、話がどんどん伸びてゆく。のらりくらりと聞いていると、最後の仕上げがこれである。
「記事ネタになるでしょ?」
「え? これを書けと?」
毎回ここが着地点。
いやぁ……食レポは難しいぞぉ~。気分とか、体調とか、タイミングとかあるし。ノリノリで書かないと、おいしそうに書けないし。マックのゴジラバーガーだったら話題性があるから書くけれど……おからクッキーとは、これ如何に? 白なら白、黒なら黒。僕は曖昧な返事をしない。オセロのコマと同じように。
「あまり期待はしないでね」
食っていいのは、食われる覚悟のあるやつだけだ。食ってみないと何も言えない。僕には、これが精いっぱいの返事であった。すると、ワーちゃんの中の何かが弾けた。
「ブログが読みたいのぉ~!」
僕に向かってワーちゃんが吠えた。即座に僕は反撃開始!
「なんでなん? 小説連載が終わってから、ちゃんとブログ書いてんじゃん。エロい形のパンだって書いたじゃん? 書いてんじゃん!」
反論するも〝あんたのブログが読みたい〟の一点張り。夕食のおかずにハンバーグ。その瞬間、これじゃない! おまいさんは、カレーが食べたいって、駄々をこねてる小学生かい? そんなの、お母さんは許しませんよ!
「てかお前、俺のブログ読んでたの?」
「読んでたよぉ!」
何それ、笑劇の告白じゃん?
読んでいるなら、普通なら。日常会話で記事の話題を振るでしょや? 僕の小説を読むとは思ってない。ブログを読んでる素振りも一切なかった。だからずっと「応援はしている。けど、私は読まない!」そんなスタンスなのかと思っていた。
「そんなん知らんがな。で、俺のブログはオモロいか?」
これは、素朴な質問である。
「ちょいちょいオモロい。たまぁ~に、いいこと書いてるし」
何だよ、何だよ、うれしいじゃん。
「結構、読んでる?」
「まぁまぁ、読んでる」
僕はこのチャンスを逃さない。
「だったら、ブログランキングのボタンを押せよ!」
「……」
すると、ワーちゃんは口を閉ざした。それ以降、固く口を閉ざしてしまった。それとこれとは話は別。そんな顔して無口になった。あの後で、クッキー食べたらうまかった。
だから、火曜日の記事に書こうと思う(笑)
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