───へぇ、出来てたんだ。
仕事で屋島山上へ行く事になった。
ついでに屋島山上交流拠点施設「やしまーる」を見学する。ブログを書いてる事を知る社長(同級生)からの記事ネタ提供。
粋な計らいである。
GoToトラベルの効果なのだろう、コロナ以前の屋島の姿がそこにあった。山上の駐車上は車も多く、新屋島山上水族館には小学生の遠足の列で賑わっていた。もしかしたら、その頃よりも観光客が多いかも知れない。ついでに屋島水族館の「新」を「シン」にすれば話題になるのにと一瞬思った。
建設途中のやしまーるを何度か見たのだけれどイメージが今ひとつだった。瀬戸内の風景と近代的な建物がマッチするのか?。所詮、田舎は田舎である。むしろ田舎を利用した方が屋島の良さが出るのでは?。そんな風にも考えていた。
───意外に悪くないかも?。
完成した建物は屋島の自然とマッチしているように見受けられた。嫌いじゃ無い。屋島の展望台よりも高い場所から瀬戸内海を一望すると、また違った景色が広がって見える。残念ながら写真では伝わらないのだけれど、体感的に違っていた。
───へぇ~、ほう~。
施設への入館は無料である(一部有料)。中をテクテクと歩きながら施設や景色を眺めていると、一匹の黒猫と目が合った。どうした、運命?。
───お前、どこの子?。
我が物顔で闊歩する風貌を見れば、野良猫ではない事は一目瞭然である。桃太郎旅館からは少し遠いし、れいがん茶屋で猫を飼い始めた話も訊いてない。扇誉亭の若旦那のとこかな?、南山かな?、フィギアの飾ってあるお土産物屋さんとこに猫がいたな…。猫が気になって仕方がなくて、今日もサヨリは元気です。
───あとでれいがんのオーナーに訊いてみよう。
風景と黒猫を交互に視線を合わせながら写真を撮影していると、黒猫は正面の展望台へと姿を消した。やしまーるは、家族連れやデートに良いかもしれないね。建設費用の元を取るのは大変だろうけれど、これからの広報力に期待というところである。
───早く戻らないと。
写真撮影を済ませて施設を出る。外観も一枚と思い、黒猫が消えた展望台から写真を撮っていると、案内板からあの子が出てきた。ニャーニャーとよくしゃべる子だった。
───お前も写真に撮ってやろうか?。
カメラを構えて1枚パシャリ。アングルを変えようとした時、背中越しに「写真撮ってもらえませんか?」と老夫婦に声を掛けられる。誰しもが、かくありたいと思うほど仲睦まじい夫婦だった。僕の親くらいの年格好に「構いませんよ」カメラを受け取る。立ち位置を決めて、アングルを訊いて、2枚の写真を撮影した。
───1枚はベタなアングル。もう1枚には青空を添えて。
ベタなアングルだけでも良かったのだけれど、何となくサービスショットも追加した。「確認だけお願いしますね。写ってないと僕が辛いから」そう言ってカメラを手渡しす。
───空の写真がきれい!。
第一声がそれであった。そうでしょう、そうでしょう。僕は自己満足に浸りながら、その場で夫婦と別れ、再び黒猫の方に視線を移す。彼も彼の用事があるのだろう。黒猫は何処かへ姿を眩ましたようである。
───喜んでくれたから、ま、いっか。
来週もここに来るのだから、黒猫ともまた会えるだろう。テテテテテ…小走りで社長の待つれいがん茶屋へ向かい、れいがんのオーナーを探したが不在であった。何処の猫かを知りたかったのだけれど、これも次回のお楽しみ。
展望台では青空に向かって「かわらけ」が大きな放物線を描いていた。
───ようこそ、屋島へ。
その実、ここへ来るまで「やしまーる」を、新設スーパーの名前だと思っていたのはここだけの話である。
コメント
きれい‥。ほんと穏やかで美しい海と空ですね。いつか、自分の目で直接、見たいです。まずは、旅費を貯めなくちゃ‥。。それから、新屋島水族館の新をシンに?。あ、確かに!。ヤシマだものね。ネーミングによる集客力アップ作戦、とかね、マナやんだって、作戦は大事って言ってくれるかも?。
「ふなっしーにも勝てるかも?」と耳打ちすればマナやんも賛同してくれるでしょう。国立公園に指定されているだけあって壮観さもここに極まれりです。こちらへお越し下さる際にはご案内させて頂きますね(笑)。