───ユニクロ行くかぁ〜。あ〜腰が…。
君に届くと死んじゃう方の貞子のように、朝晩の冷え込みが腰にクル。クワバラ、クワバラ。寒さ暑さは老体に毒。
───そうそう、あれあれ。
やっとやるべきことがわかったんだ。そして、心から思っている。それは正しいと…。
映画『アイアンマン』トニー・スタークの台詞
トニーの言葉を胸に、僕はユニクロを目指した。お目当てはヒートテック。寒さから身を守るという点において、ヒートテックの存在感はデカい。その性能は、冬の庶民のアイアンマンスーツと言えよう。ヒートテックは、今の僕に必要な存在だった。
───なに?、このハイテク!
コロナ禍以降、初めて入店するユニクロは、控えめに言って未来が見えた。以前とは違う買い物ルール。走る戸惑いと緊張。入り口、手の消毒と検温。それは今のお約束。スマホのような画面に顔を近づける。すると瞬時に体温が表示される。なんて便利なんだ。終わりの始まり…いずれはペッパー君のようなロボットが店頭に立つのだろうな。ピッ♪。
───36.6度、いつもどおり。
皆んな大好きユニクロの店内では、コロナ禍なんかどこ吹く風で、多くのお客さんでごった返していた。うん、危険な香り。短期決戦、短期集中、今季のスローガンは『スピード』。ヒートテックを華麗に鷲掴み、徒競走が如くレジへと向かう。が…レジ不在。いつも、いるはずのお姉さんが…いない…。
───まさか!セルフ…レジ?…スゲー簡単。
だってそうでしょう?、商品を指定の箱の中に入れるだけ。ピッピッ♪しなくても自動で計算。これが普及したら、僕らが使い方を覚えたら、出入り口のロックと防犯カメラで無人店舗の完成だ。人間のお仕事が、どんどん減ってる感がハンパない。
───う〜ん、便利だけれど恐ろしいね、近未来。
目的のブツが手に入りルンルン気分で帰宅。夏のシャツを脱ぎ捨てて、速攻、おにゅーのヒートテックに袖をとおす───あったかいんだから。特許とかどうなっているのだろう。それにつけても、コレ、考えた人は天才だ。
ヒートテックでウォーキング
───今、あたしはキャサリンの仮面をかぶる…!。
ガラスの仮面 北島マヤの名言
マヤに負けない気合いで、漆黒のヒートテック(Mサイズ)を身に纏う。良かった、ピチピチじゃなくて。ダイエット頑張ってるだけに、ピチピチだったら心折れる。心配そうに見つめる愛猫サヨリ。気分も上々。お散歩タイムの始まりだ。片道2.6㌔、徒歩40分の小旅行。留守番頼むよ、サヨリさん。外の風は秋の気配を感じさせた。
───あ〜冷たい。
この調子なら到着した頃。身体もいい感じに温まるだろう。今のところ寒く無い。今年のヒートテックも快適だった。意気揚々と歩き始めて5分後。ゴールまで35分後地点で異変起こる。
───もうね、ヒートテックが暑いです。風呂上がり?ってくらいで汗だくです。
10月なのに熱中症対策。自動販売機で『いろはす』を購入し、水分補給をしながら残り30分を歩き切る。ヒートテックって、着るサウナかよ!って程の汗。気持ち悪い、ベタベタたぁー!。軽く痩せたね、2キロくらい。
職場に着くや否や、僕は速攻でTシャツに着替えた。今でこれならこの冬も万全だ。ヒートテック、恐るべし。ヒートテック、ありがとう。
───あと、2〜3枚買い足しておこう。一番安いノーマルタイプでこの性能。上位互換の『極暖』とやらの存在も気になるところだ。
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