───冬は土づくりの季節。
落ち葉を集め米ぬかや籾殻と混ぜて畑の隅っこで腐葉土をこさえる。時折、天地返しをしながら発酵状態を確認する。掘り返した落ち葉を触るとポカポカで、目に見えない微生物たちの息吹を感じるのも不思議です。
それに加えて土管の移動。スクーターでボチボチと運搬するのだけれど、中々どうして、畑に向かう回数を重ねなければ必要本数に達しない。必然的に回数を踏む事になる。今日はそのついでに麦を踏んだ。
そんな畑の道中でいつも気になる木があった。大きな黄色い実をつけた木。だってそうでしょう?、その実は採るの?、それとも採らないの?。文旦、カリン、それともザボン?。この木、何の木、気になる木から黄色い果実がボトボト溢れる。それは閉め忘れた蛇口のよう。見るたびに数を増し、道路に転がり、水路を埋める。
───勿体無い気がしてならぬのだ。
僕の畑から直線距離にして50m。後輩の畑に隣接する位置関係。つまり、後輩から情報を引きずり出せればゲット出来る可能性大!。邪な気分で後輩登場を待っているのだけれど、この寒さである。誰とも会わない無い日が続いて、今日もサヨリは元気です。
───だったら黙って採ってくれば良いのに。
鯒鍋くん、悪魔かよ。
怒られ無いのはわかってる。バレずに採って帰る自信もある。けれど、田舎には田舎のルールと言うものが存在する。黄色い果実から一瞬にして信用を失う事もある。それはマズい、非常にマズい。まずい飯屋と悪の栄えた試しはないのだ。だからチャンスをひたすら待つ。
後輩くん、寒いけど取り敢えず畑に出てみようか?。お宅の畑、雑草で大変な事になっているよ。それはそうと、あの木は文旦かな?、路地文旦なのかな?。おじさんちの果樹園だよな?。そろそろ時期だと思うのだけれど、収穫つーのはしないのかな?。早く畑に出ておいで。
───そこの黄色いの、何個か分けて欲しいのだけど。
この記事読んだら連絡ヨロピク(笑)。
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