見慣れぬ雑草を引き抜くと小さなジャガイモが顔を出す。何か良いことがありそうな気がしてリリースすると北あかりに姿を変えた。見た目はスーパーのジャガと同じである。それが土の中からゴロゴロ出てきた。温泉を掘り当てたくらい心臓が揺れた。
───何コノお得感！。
はっきり言って僕はジャガイモが好きだ。けれど、張り切って栽培する気などサラサラ無かった。それをトマトを通して体験したのだ。キミに届くと枯れるやつ。それは貞子の微笑み返し。ジャガイモ跡地は呪われてるのだ。だから素人が手を出しちゃいけない気がした。
───連作障害の呪縛である。
何はともあれ、採れたジャガをお裾分けした。２～３個を１０件くらい。カレーでもシチューでもお好きにどうぞ。それでも十分手元に残る。さて、何を作ってやろうかな？。
そんなの肉ジャガに決まってる。僕らの若い頃、彼女が作る肉じゃがにはダイヤ以上の価値があった。今はめんたいパスタで胃袋を掴むらしいのだけれど。そんなの僕には関係無い。30分もあれば料亭の味に仕上げてみせる。
───美味しいじゃん。
控えめに言っても、ホクホクしてまいうーである。ジャガはまだある。だったら次は王道のジャガバター。その次はこふきいも。さらに手間がどうだこうだと話題となったポテトサラダへ駒を進めた。ポテサラは神がかった出来栄えだった。
フライドポテトはNGな。この事情が分かるアナタ、そりゃもう、お友達です。共にダイエットに励みましょう。
食材を成仏させる気持ちでこさえた料理のどれもこれもが上出来で、今日もサヨリは元気です。そんな僕の終着駅は、さつまいものついでに作る蒸しジャガである。蒸しジャガは気分次第で攻め方を変えられる。思いのほか恩恵は大きい。アレコレ作っているうちに北あかりのストック切れそう。
───残すところ僅か５個。
だったら葉野菜を捨ててジャガ作れば良かった。そんな気分にもなる。とは言え連作障害がやはり怖い。井戸の底から手土産もって根こぶセンチュウが這い上がってきそうである。やっぱり止めとこ。その矢先にジャガのお返しが舞い戻る。
───あれ、美味しかったわ。また作ってね。
それぞれの出先で、カレーとなり、シチューとなり、肉じゃがとなった北あかりは数日後、お菓子やジュースやちゅーるに化けて戻ってきた。サヨリさん大喜び。
───一度の勝利はカトンボを獅子に変える。
だよねー、美味しいよねー。
自画自賛が自他共に認めるに変わると気分も変わる。ジャガイモの連作障害を避けるには畝を４年開ける必要あり。畑の畝はマックスで９本。やってやれない事は無さそう、畝のやり繰り大変そうだけれど。
スタートダッシュで春ジャガ５月。夏場に太陽熱土壌消毒からの秋ジャガって出来ないだろうか？。理論上、根こぶセンチュウからの負の連鎖を断ち切れそうな気がしてきた。
───失敗は記事の肥やしにすれば良い。
と言う事で、リクエストにお応えして来春は真面目にジャガイモやってみます。あちらさんも、こちらさんも、どちらさんも、お鍋を持ってお楽しみに（笑）。
コメント
ジャガイモ料理、美味しそう！。なんてったって、素材そのものが絶品だもの。皆も喜んでくれて、本当に嬉しくなりますね(笑)。さぁ、今後のジャガイモ作りの為にも、連作障害対策しなくちゃ！‥ですね。私は土壌の太陽熱消毒以外にも、輪作をしていました。今は輪作という程には、ちゃんとして無いけど、野菜の種類（科）ごとに区分けして、畝をローテーションで使っています。でも必ず1ヶ所は休ませています。5つ位に区分けしてずらして使えば、元の場所に戻る頃には丁度良い年数が過ぎます。あ、ジャガイモはトマトの近くに植えない方がいいです。同じナス科でも相性が悪くて病気になりやすいから。私はジャガイモはナス科でも、完全に別枠扱いです。でも、そんなジャガイモ、ネギとは相性がいいです。もうやったかもしれないけど、後作に長ネギは良いですよ。
あぁ、ジャガイモの後はネギが良いんですか？、知らなかった。ありがとうございます。九条ネギの評判も良かったからその方向でやってみます。ジャガイモとトマトが最悪だったのでローテーションも考えないとですね。連作障害、大敵です（汗）。
単純にローテーションで違う場所で育てれば、連作にならず連作障害は防げますが、連作以外にも気を付ける事があります。違う科でも育てる順序というのか、前後の相性とか、近くの野菜の相性もあります。ローテーションを考える時、後作や近くは何にするか、そういう相性も配慮すると野菜の生育や、害虫や病気対策にもなります。