しみじみニヤニヤしとるんじゃ。
僕はこのシーンが一番好きだ。
戦時中の広島と人々の日常を描いた「この世界の片隅に」。映画公開から約2年8ヶ月後。ようやく僕は、このアニメを見る事が出来た。膨大な取材と文献閲覧により、細部にまで書き込まれた戦時中の広島とそこで暮らす人たちの生活。その情報圧縮率は半端無くて、一度見ただけでは到底おぼつかないわけで。で、ついさっき3回目を見終わりました。
すずさん、今年の盆灯篭は白色ばかりなんやね。
白色の盆灯篭の意味
初見からグイッと心臓を掴まれたシーンがある。そして、何度見てもビクッとする。それは、すずさんが豆腐を抱えて墓地の横を歩く場面。一見、何でも無い描写に見えるのだけれど、広島の人は見逃さない。
白い灯篭は初盆を意味します。
僕は高松の人間で、何も無ければ見過ごした筈の一コマ。高松ではお盆に飾るお墓の灯篭は真っ白で、何も無ければそれが普通で当たり前の光景だった。
「この世界の片隅に」が封切られる一年前。
2015年11月。
依頼されたホームページ案件のリサーチ中、僕は一枚の写真に頭をひねっていた。

赤、青、黄…派手だ、派手過ぎる。Google画像検索の写真には、お盆の様子が映し出されている。撮影場所は広島県のどこか。
もしかするとフェイクなのかも知れない…。僕は事実を確認すべく、ケータイ電話に手を伸ばした。
「ちょっとお伺いしたいのですが、広島のお墓ってあんなに派手なのでしょうか?間違いがあってはいけないと思って。」
「そうじゃ。あれは盆灯篭って言うて、あっちはお墓が派手なんですよ。白い灯篭は初盆の意味ですわ。日本でも広島だけって聞いてるから驚いたじゃろ?」
こんなやり取りを3ヶ月間続けていたのだから、僕は岡山と広島のお墓事情には割と詳しい。そして、電話の主は間地石材店の店主で、この案件の依頼者でもある。
白は初盆、白は初盆、白は初盆…すずさんの通った墓地の灯篭は全部…白…。
すずさんにとっての日常で、僕らにとっては戦時下という異常な世界。片渕監督からの観客を信じた静かで強烈なメッセージと映画を見終わった後の脱力感。回数を重ねる程に深く考えさせられる映画が「この世界の片隅に」だと思った。
そして今。
3年の時を経て、間地石材店の看板娘にサイト管理のレクチャーをする事になった。1ヶ月の講習も恙無く今日で終了。このタイミングでアニメを見たのも何かの縁。なので、彼女に最後の宿題を一つだけ出しました。
「この世界の片隅に」を最低10回見る事。
あなたにとって、きっと将来の宝になります。理由はさっき話した通りだよ。
サイト更新、楽しみにしちょります。
※「この世界の片隅に」は、9月3日までGYAOで何度でも無料視聴可能です。

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