「すき焼きは、しらたき(糸こんにゃく)と肉を並べてはいけません。」
すき焼きをする時に、こんな話を聞いたことはありませんか?。もしくは、このように教えられませんでしたか?。それにはれっきとした理論があります。こんにゃくの製造過程でこんにゃくを凝固させる為に石灰を使います。一方、お肉は熱を通すと段々と固くなります。それを熱凝固と呼びます。そして、石灰すなわち水酸化カルシウムのアルカリ性が肉の熱凝固を加速させるために、
「肉のそばにしらたきを置いてはいけない」
というルールが日本人の心の中に定着していました。私も何となく、昔から言われてるし、テレビでもやってたし…そんな理由からすき焼きの時、肉としらたきが仲良く並んでいるのを見ると、
「こいつ、素人やな。」
そう、心の片隅で思ってたりしていました。しかし、私の世界の片隅にあったすき焼きの概念が、日本こんにゃく協会発表の実験結果により大きく覆されました。
私の前でお肉としらたきを並べていた皆様。私が間違っていました。この場をお借りして謹んでお詫び申し上げます m(_ _)m。
お肉としらたきを並べても良いんです!
一般社団法人日本こんにゃく協会が一般社団法人食品環境検査協会に委託して行った実験結果が、2017年2月23日付けで公開されました。この実験は、しらたきの有無による肉の硬さの比較したもの。その結果、
- 「しらたき」の有無により肉の硬さへの影響はみられない。
- 肉の硬さへの影響要因は加熱時間と肉の霜降り度合いが大きい。
- 「しらたき」の有無や下処理によりすき焼き鍋(割り下)のpHの変化はほどんどない。
という事実が明らかになりました。それにより、長らく肉を硬くする要因とされて来たしらたきは、晴れてすき焼き鍋のどの位置に居座っても良くなったのです。めでたし、めでたし。
(参考リンク:★記者発表のお知らせ★「しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を硬くする」は誤解だった 注:2021年記事が削除されていた。その理由は不明…)
実験方法や内容について、更に詳しい情報をお求めの方は上記参考リンクをご一読ください。
ざっくりと実験結果を見て私が思ったのは、
「肉はいつまでも鍋の中に置かずにとっとと食べなはれ!」
という事。お肉の硬さの変化は加熱時間で左右されているようです。実験によると、お肉を柔らかく食べるためには加熱時間を1分程度を目安に抑えれば柔らかいお肉が食べられるそうです。
「肉ばっかり喰ってないで、野菜も沢山食べなさい!。」
私は、そう言われて育った世代ですが、
「硬くなるからお肉は早く食べなさい。」
昨今では、そう言われて子どもたちが育つ時代なのかも知れませんね。
とにもかくにも、
すき焼きの、お肉は、1分前後でね(笑)。
Related Posts