───持って帰りまい!。
畑に立ってたらトウモロコシをまたまた頂戴した。今日は黄桃とセットで豪華版である。さくっと持ち帰り、こそっと蒸す。スチームクッカーに水を入れてスイッチオン!。蒸し上がるまでの10分間で愛猫サヨリのご飯の準備。これをやらぬと何もかもが始まらない。
絶賛活動的なサヨリさん、赤ちゃん返りでもしたように好奇心が止まらない。目新しいものを見つけては、チョッカイを出しに来るほど元気ハツラツな老猫である。
ご飯を食べてミルクを飲ませるとタイマーのベルがチン♪と鳴った。お次は僕のおやつタイムである。焼く、煮る、蒸す、レンジでチン♪。トウモロコシの調理法も色々あるけれど、まぁまぁ僕は何でも生か蒸すタイプ。前回のトウモロコシの記憶が口から消えないものだから、今日もやっぱり蒸して頂く。
もぎたて、採れたて、蒸したての黄金の粒々が口内で弾けると、大自然の甘味が容赦なく広がった。スーパーで買ったトウモロコシは、幾分か固さがあるのだけれど、この子は別物、鮮度が違う。実に柔らかくて噛む必要すら感じさせない。トウモロコシも飲み物だった、そう、言いたいほどである。
───トウモロコシは1本の株から1本しか実が採れない。
優秀な1本だけが成長を許される厳しい世界。他の実は間引かれて、ベビーコーンとかヤングコーンとしての道を歩む。育てる側からすれば貴重な1本。そう考えただけで、数十倍も美味しく感じられる。新鮮なうちに、熱々のうちに、そして空腹のうちに頂くのが僕の食べ方。
───ごめん、今夜の晩ご飯は要らないかも?。
もぎたてトウモロコシを食べた影響で、自家菜園でもトウモロコシ要るやろ?。そう思い立って種を植えた。畑の畝直に植えた種は沈黙を保ち、ポットに植えた種は目を吹き出した。トウモロコシの花言葉は財宝で僕のトウモロコシの品名はゴールドラッシュ。20世紀のパチスロ台のような名前にそそられた。
───収穫時期は9月か10月。
秋トウモロコシに想いを馳せながら、ちょっと嫌な話を耳にした───「台風で倒れんなら良いけどね」───その想定は無かった。乗り掛かった船である。どうせ乗るならイノシシに負けない宇宙戦艦ヤマトを希望。強風に負けてタイタニック号にならない事を切に祈る。
───とは言え、秋の収穫が楽しみだ。
Related Posts