零細企業に休み無し!

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雑記・覚書き

───実話である。

 気温二十三度。

 あの夏はどこ行った! バディとの車の中で暑さに慣らした体が寒い。枯れた体が気温の変化についてゆけない。現場に着くとお獅子の鐘が鳴り響く。もう、秋祭り…そんな季節か…。

「冷えるのう」

 バディは今日もご機嫌さんである。でもきっと三十分後には頭に血が昇っているのだろう。昭和男の沸点は低いからな…。

「土曜日やからシャバは休みやで。月曜日は祭日やし。なんかやる気が出んのう…」

 これからはじまるドタバタの前。人格変わる少し前。嫌味のひとつも言っておきたい。そんな事などお構い無しに、テテテとバディは鐘の音へ足を運ぶ野次馬と化していた。おいらの話に耳を貸せ、そんなにお獅子が見たいのか?

「これ一回、いくらなん?」

「ご祝儀か? 五千円から一万くらい」

「ほな儲かって、わややな(笑)」

 〝わや〟とは、讃岐では〝めっちゃ〟を意味する。バディは、その金額を想像しただけで幸せそうな顔をする。自分が儲かるわけでもないのに。腹立つけど憎めない。それもひとつの人徳なのだろう。頭の中で、バディに何度も妄想パンチを食らわせているけれど(汗)

「まぁ、儲かるのは儲かるけどな。毎晩の飲み代があるからな。結局、そんなに残らんのよ。祭りなんて」

「だったらな、の…飲まんかったらええやん?」

「飲まさんかったら、人、来んやん。祭りを動かすのは飲兵衛やで(笑)」

 仕事前。獅子舞を見ているだけでこの会話である。やる事ほかにもあるだろうに。獅子を眺めてもう一度。

「ええなぁ、土曜日。ほれ、みんな休んでるで」

「う…うちは零細企業企業やからな。休みなんてのはありません!」

 おい、男前やな(笑) ほな、休み返上で頑張りまっか!

 この男、何かの拍子に経営者スイッチ入るのな。朝の獅子舞も幕を閉じ、我々は仕事に入る。そこからは地獄。言い換えれば生き地獄。煽って来るのよこのジジイ。煽り加減が天下一品。これやって、あれやって。事あるごとに呼ばれるのだ。その度に集中力と手が止まる。挙げ句の果てには、俺のドライバー何処やった? ───知らんがな(怒)

 消える工具。

 それは日常的に彼が起こすミステリー。犯人だって? 言わなくても分かるだろ?。まぁ、足元に転がっているか、後ろのポッケにブツは入ってるのだろう。この前なんか、ダ…ダスキン、ダスキンつーて叫びながら、長い廊下で三十分ほど騒ぎ立てながら、おいらを横切る後ろ姿。そのケツのポッケにダスキン一本刺さってた。あの時は、食欲がなくなるほど笑ったっけ。「片腹が痛いわ」とは、この事だった。

 誰でも歳を取ればいずれそうなる。誰もがそう言うのだけれど、二十年後にあれはやだなぁ(汗)

 今日の作業は順調に事が運び、それもこれも、お獅子が厄を祓ってくれたのだろう。バディも静か。何それ?カニでも喰ってんの?ってくらい静かであった。つまり久々に、極めてスムーズな現場であった。その証拠に午前中でゴールが見えた。おいらには、まだ別件あるから長めの休憩時間がありがたい。さぁ、昼飯だ。会社でバディを車から下ろし、おいらは次回の予定を確認。

「黒板の予定表に書いてあったからな、次は月曜日でええんか? 祭日やけど」

 遠回しな嫌味は忘れない(笑)

「なに言うとん?次は火曜日やろ?」

「ほんまに火曜日でええんやな? 零細企業やろ? 大丈夫か?黒板の文字は嘘か?」

 軽く不安になったのだろう。手帳を開いて予定を確認。

「なに言うとん、月曜日は祭日やで(笑)」

 なにそれ、嫌味の微笑み返しか?

 なんかムカつく(笑)

コメント

  1. お疲れ様です。以前、知人から「よく、わからんけど香川県は獅子舞王国らしいよ」と聞いていたけれど本当なんですね。こちらの地域では、秋祭りで獅子舞を見ることはなく、お正月にテレビで見るくらいです。香川県の歴史や文化は、知らないことが多くて興味深いです。

    • お獅子の数は多いと思いますよ(笑)
      秋祭りがメインで、お正月には冬眠してます。

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