
今日もサヨリは律儀な猫ちゃま
うちの猫は律儀である───義理堅く実直なサヨリであった。 暑い日も、寒い日も、晴れの日も、雨の日も……僕が戻ると寝床から起きて出迎える。それは、必ず実行される。 数年前。 もうダメだと思った頃でも、よろよろと体を起こして僕を出迎えた。「もう、ええで。しんどかろうに……」 口を酸っぱくして、何度もサヨリに言い聞かせたけれど、サヨリの行動は変わらなかった。ご飯の食べられない体で、毎日、僕を出迎えた。「これ、食えっか?」 ありとあらゆるキャットフードを試したけれど、サヨリが口にすることはなかった。大好きだったちゅーるでさえも食べようとしなかった。日に日にやせ細る愛猫に、あまりにも僕は無力だった。猫ブ...