懐かしのHPバトラーの世界(ZEROの領域)

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HPバトラー
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ピポポポピポピ…ギューギャララララララ…。電話回線からネットへアクセス。お気に入りからページを開くと「ようこそ。星の数ほどあるホームページの中から来てくださりありがとうございます」のメッセージ。「ENTER」と書かれたドアのイラスト。ドアの下には「貴方は○○人目のお客様です」。

100、111、123、321…999、1000。上り目、ゾロ目、キリ番…。それを見たらゲストブックへメッセージ。それが暗黙のルール。20年前のインターネットは独特な世界観を醸し出していた。特別な世界観と言う方が正しい。夜の営み、インターネット創成期。

インターネットはおろかパソコンすら珍しい時代。それは、ITバブル全盛期。「僕にインターネットを売ってください!」家電量販店では、日夜、吉本新喜劇が繰り広げられていた。新機種PCのリサーチ中、そのフレーズに、何度、吹き出た事やら。その頃、僕ら界隈でムーブメントを巻き起こしたのがHPバトラー。バーコードバトラー(1991年:エポック社)に近いゲーム性だ。

それは、自らのURLを入力して戦うゲーム。勝つと自サイトの名前と共にリンクが貼られる。URLが強ければ勝ち続ける事も可能だ。ゲームの中でホームページの宣伝が出来る。その恩恵に誰しもが飛びついた。

単純で、中毒性があって、画期的なCGIプログラム。それはZEROの領域で配布された。もちろん無料だ。瞬く間にサイトオーナーのステイタスに。掲示板(BBS)やチャットに比べて設置難易度も低く、CGI設置の登竜門としての役割も果たした。コードが読めればオリジナリティーも出せた。

時を開けずして「強制送還」という新たな要素が加わる。「負けると相手サイトへ飛ばされる」。アクセス至上主義でカウンターの数字が全てだった時代。強力なURLを作り出す兵も出現。

出会い系サイトも、あっち系サイトも、こっち系サイトも、続々とHPバトラーに名乗りを上げる。壮絶なURL合戦の始まりだ。だってそうでしょう?、SEOなんて無かったのだから。Googleなんて誰も知らなかったのだから。アクセス解析?、逆アクセスランキングの事?、それより簡単相互リンクしない?。ネットの知識はその程度だ。

アクセスアップの唯一の突破口は分かっている。それはYahoo!カテゴリへの登録なのだけれど、そのハードルは天よりも高かった。それは一生無理っぽかった。だからホームページ宣伝の主戦場は、2chとHPバトラーへと当たり前のように流れる。

個人のホームページでビズネスやアフィリエイトの発想は無かった。ホームページは趣味の延長上。自己満足で、ゲーム感覚だ。だからこそ、HPバトラーを通して交流も始まる。バトラーの一言欄に自己紹介や挨拶を入れたりして。そうやって、僕らの夜は更けてゆく。時はテレホーダイ全盛期。睡眠不足はADSLの登場まで解消されなかった。

お父ちゃん
お父ちゃん

では本部から今日のお知らせです

2021年、HPバトラーの現在

2021年6月1日。ふと、HPバトラーを思い出す。懐かしさと興味本位でGoogle検索。いくつかのサイトがヒットした。文頭の画像は十数年ぶりにプレイした結果である。勝った。嬉しい。単純に楽しい。

別のサイトでやってみた。エラーが出た。httpsには対応してなかった。いくつか試したが無理だった。悲しい反面、どんなホームページがオーナーなのかが気になった。

そこで上位階層へアクセスすると、懐かしいページが表示された。十数年前から変わらないページが表示されたのだ。最終更新は2003年。掲示板を覗いてみると、業者に荒らされた無残な姿がそこにはあった。そこは誰も居ない空き家。それがとても寂しく思える。当時の懐かしい記事を読みながら、相互リンクの扉をあける。そこに、僕のサイトの名前もあった。「大切なお友だちの~…」という説明文を添えて。

かつての仲間たちはどうなったのだろうか?。もしかしたら、今、SNSで交流のある人たちのページだったりもするのだろうか?。様々な想いが交錯する中、そのアドレスを、そっと、お気に入りに登録した。

時折、相互リンクを辿り、古い仲間たちのページを見に行こう。僕の当時のサイトは今でも残してある。時をみて、「挨拶しちゃ朗」と「目指せ全国制覇」を復活させよう。このブログに設置するのも楽しいかも知れない。

かよさん、三蔵さん、ちびちゃん、haniさん、カッちゃん、黒薔薇王子、伝説のお姫様、コダマちゃん…昔のように集まって、あの頃のようにワイワイやりたい気分になった。ここがまともなブログになったら、その時、僕のサイト名を明かすよ(笑)。

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