───ネタバレサイトがTwitterトレンド入り
このニュースに身が震える。
だってそうでしょう?、ネタバレ記事を書く事は、神に誓って未来永劫ないけれど、引用とか割と使うし、名言とかセリフとか文脈に入れてるし。そこ突っ込まれたらぐうの音も出ない。「連載中の漫画のせりふを書き写し、ウェブサイト上に無断掲載したとして…云々かんぬん…」ってだけで震えが止まらなくて当たり前。
それはアナタも同じでしょ?。
僕は小心者だから根本的な意識改革の必要性すら感じてしまう。全部、すべて、まるっと、ぬるっと、どこまでも。思考回路を変える方向で検討を始めた。だって、後々面倒臭くなるのは嫌だもの。
───日本での著作権の保護期間は、原則として著作者の死後70年。
明治、大正時代ならイケそうだ。江戸時代なら完璧か?。いやいや、石橋を叩いて渡わらな僕なのだから、もっと昔に遡ろうか。
───みんなが知っている昔の話
桃太郎はモンスターバトル、浦島太郎はタイムトラベラー、かぐや姫はSFファンタジー。その辺りなら安全地帯。だったら、狙うは平安時代のイケジョでしょ?。そう、文部省推薦 紫の式部ちゃん。世界最古の長編小説であり、世界のベストセラー本。「源氏物語」なら、1000年前のストーリーだから大丈夫なはず。
だったら覚え込んでも損はない。男と女、くっついたり離れたり、奪ったり奪われたり。やってる事など平安も令和も大差ない。むしろ、平安の方がえげつない。話だけでも頭に入れとこ。
───そこから生まれる言葉もあるでしょう
思い立ったが吉日で、僕はkindleに源氏物語をダウンロードした。最初に読むのは、一青窈じゃない方の空蝉ちゃんだ。「源氏物語 空蝉 与謝野晶子訳」。
読むのは二度目である。
源氏物語 空蝉(与謝野晶子訳)
朧月夜、紫上、夕顔、花散里、明石上、六条御息所、空蝉、軒端荻、末摘花、源典侍、葵上、女三宮、朝顔、玉鬘、秋好中宮、浮舟。
源氏物語を彩る16人のヒロインたち。
───性別、容姿、性格、身分、年齢、、、
源氏物語の登場人物は幅広く用意されている。総勢500人くらい。人生、行動、恋愛、まぐわい…。登場人物の数に比例して人間の行動パターンも網羅されているのだろう。原点にして頂点。新しいとか古いとか、今の若者はとか老害とか、1000年前から言ってる事はそう大して変わらない。
分かっているように書いているのだけれど、実のところ、僕は今でも「源氏物語って授業でやったっけ?」という認識だ。つまり、源氏物語の全てを読了などしてはいない。難しそうだし、面倒そうだし、時間も掛かるし、恋愛ものに興味も無いし。なにより光源氏はトラウマだし。
───あるのは昔の記憶だけ
スペシャルドラマで観た記憶だけ。ジュリーが光源氏を演じた「光源氏物語」が地獄だった、まさに生き地獄。もうね、中坊の僕でも分かる。これはアカンやつだった。「決してひとりで見て下さい」なやつだった。濃厚で妖艶なシーンに凍り付くお茶の間。それでもチャンネルは微動だとせず。気まずい空気だけが流れた。
───1980年、正月の夜
いくら僕でもそれ分かるし…。
TOKIOが空を飛んだ後だもの。ジュリー人気がそうさせた。チャンネルを変えようものなら、オカンがブチ切れる恐怖がそこにはあった。家のテレビは1台だけで、部屋の戻るのも微妙な感じ。所々で目のやり場に困る。弟も困惑顔だ。早くジュリーが終われば良いのに。僕はそればかりを考えていた。そしてついに耐えきった。
───源氏物語=エロい
それが僕の源氏物語だった。それから40年、源氏物語の認識は変わらなかった。光源氏って、平安時代のプレイボーイなんでしょ?。いとリア充に興味が持てない。転機が訪れたのはkindleの存在に気づいてから。
Amazonの記録を見ると2019年の3月の事だ。
───空蝉(うつせみ)
僕はこの響きが好きだ。
空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびにぬるる袖かな
源氏物語第三帖 空蝉の最後にある歌
空蝉の響きから儚さとか愁いを感じる。源氏物語にトラウマを持つ僕だけど、Amazonで与謝野晶子訳版 源氏物語は無料だった。無料の花言葉は、アナタが好きです。読んでおいても損はない。しかし、ドラゴンボール並みの巻数に心折れる。それほど長文でも無いのにも関わらず「源氏物語 03 空蝉」で挫折した。そこから大きくショートカットして「源氏物語 56 夢の浮橋」を読了。それで全巻を読み終えた気分に浸った。
───もう十分、お腹いっぱい
その二年後、ネタバレサイトがTwitterトレンド入り。個人ブログも先行きが怪しげ。書評も、映画感想も、ドラマレビューも手が出し辛い体制整う。書いて良いのと悪いのとのボーダーラインが全く分からん。
───こんな事にもなったし、源氏物語でも読んでみようか
膨大な情報量と壮大なストーリー。成就が先が成仏が先か、ぶらり途中下車の旅気分で源氏物語を読み進めて行こうと考えている。今、源氏物語を読んでますなら「バカなりに頑張れ」と応援されても、ネタバレとは言われまい。SEOの観点から見れば、ガチで考察でもしない限り源氏物語の需要が薄いのも確かである。
───雨夜の品定め
この表現、仮に著名人が書いたら炎上するかな?。少なくとも「あぁ、源氏物語ですね、いやはや奥深い…」とはならないのだろう。
世知辛い世の中だ。
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