僕は悪くない!お菓子をやめられない理由はマリア

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お菓子をやめられない理由
お買い物・レビュー

僕だって良い事と悪い事の分別はあるつもりです。いいえ、あるつもりでした。厚生労働省からのアナウンスでメタボリック症候群への危険性は知っていました。そりゃ〜、嫌というほど聞かされて来ました。テレビでも、会社でも、家庭でもです。ダイエットの大切さだって知っています。2型糖尿病の怖さだって上司を見ていれば分かります。あの時、僕の精神はどうかしていたんだ…。

百貨店で、スーパーで、コンビニで。甘い菓子を見ると無性に…いや…でも。だってそうでしょう?。誰だって目の前のお菓子の誘惑に勝てるはずがない。長澤まさみに言い寄られて無視する男なんていやしない。そんなのは自分に酔ってるだけだ。年齢、性別、育ちなんて関係ありません。ダイエットなんて糞食らえだ。

ええ、無意識にお菓子を買って食べていた事さえあります。口いっぱいに広がる甘さに酔いしれ、脳からドーパミンが分泌され、パンパンに胃が膨らむ幸福感。そこで我にかえる。また食べてしまったトッポ。今日も最後までチョコたっぷりだ。血糖値は急上昇し、跳ね上がり、うねりを上げながら僕を睡眠へと誘う。その後に必ず訪れる後悔の念。食べ無きゃよかった…。ダイエットすれば良かった…。

飢餓にも空腹にさえも当てはまらない状況で…また…食べてしまう。俺は子供か?小学生か?「やっぱこれだね〜」じゃねーよ。何でいつもこうなるんだ。いつだってそう、もうウンザリだ。それにつけても愛しいファミマ。この心理、食欲、衝動、行動の根源が『スマホ脳』に記されていたんです。こっそりKindleした書籍です。作者はアンデシュ・ハンセン(スエーデン)。彼は精神科医で悔しいくらいイケメンでした。

止まらぬ食欲 僕らの脳はデジタル社会に適応していない

カーリンとマリアの話

『スマホ脳』では、10万年前のサバンナに生きた2人の女性を例に挙げて説明しています。少食のカーリンと大食いのマリアです。カーリンは必要なだけ木になる果物を食べたら家に帰ります。マリアの遺伝子は突然変異を起こしていて、甘味を感じると大量のドーパミンを脳に分泌させるようになっています。更に余ったカロリーを脂肪として蓄積できました。マリアはお腹がパンパンになるまで果物を食べて帰ります。翌日、食事に出かけると、木から果物が無くなっていました。オーマイガー。

さて問題です。10万年前のサバンナに生きる2人の女性の生存率はどちらが上でしょうか?。もちろん、マリアです。余ったカロリーを脂肪に蓄積させているのですから、しばらくの空腹にも耐えられるでしょう。その間に食糧を見つけられるかも知れません。見つけ次第ドカ食いです。逆にカーリンは活動限界に近づいています。多分、長くは無いでしょう。厳しい自然界で生きて種を残す為にはマリアのような遺伝子が必要でした。その後、この食文化は9万年以上続きます。ゆっくりと時間をかけて、人類の遺伝子は飢餓に対抗すべく洗練されて行くのです。

飽食の時代について来れない現代人の脳

たべる牧場のスフレプリン
ファミリーマート 食べる牧場スフレプリン

10万年前のサバンナから令和の日本へ話を戻します。人類の歴史の中で、これほど食糧に恵まれた時代があったでしょうか?ほんの100年前の世界では、当たり前のように餓死する人々が世界中にいました。ほんの50年前でさえメロンは病気にでもならないと食べられません。僕は「お前はバナナでも食ってろ」と言われて育った世代です。ケーキは誕生日とクリスマスの年に2回がデフォルトです。

もちろんスイーツ男子など存在してはいません。チョコレートパフェを喫茶店で食べる行為など男の恥だとされていました。石原裕次郎がパフェを食べているシーンを僕は知りません。成人男性にはコーヒーの選択肢しかありませんでした。もちろんブラックが基本です。砂糖の数で男の価値は下がります。それは何故か?。食材が高価だったからです。安価にケーキが食べられたのなら、スイーツ男子はもっと早く登場していた事でしょう。人類はマリアの遺伝子を受け継いでいるのです。甘いものが食べたいのは当たり前。だから僕は悪くない。

希少価値や金銭的事情が無ければ、人は目の前の食べ物をタラフク食べようとします。それは人類史上、食に関して完璧な時代に私たちが生きているからです。マクドナルド、ロッテリア、モスバーガー、ほっともっと、吉野家、すき家…カロリー天国の中心で僕たちは生きています。裏を返せば、私たちは飢餓に強く設計されていて、カロリーの過剰摂取に対抗出来ない体質なのです。いつでも好きなものが食べられる事を、マリアの脳は本能的に疑っているのです。だから僕は悪くない。

そして『スマホ脳』ではこう記されています。

脳はカロリーを目の前にすると毎回こう叫んでいるようなものだ。「すぐに口に入れろ!明日にはなくなっているかかもしれないぞ!」

スマホ脳(新潮新書)

そう、現代人の脳は全くデジタル時代について来ていないのです。だから僕は悪くない。

何が言いたいのかと言うと、だからキミも悪くない。

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