ホワイトクローバーの芽が出た

───緑肥、畑を復活！。

土壌に対する適応性が広く、ほふく茎を出してよく繁茂するため、雑草防止や土壌浸食防止に好適で空中のチッソを固定し、土壌を肥沃化するだと！。ナニ、この都合の良い植物は？。グランドカバー、センチュウ軽減、ヒラケゴマ…。そんなヒロシに騙されて魅惑のワードが財布を開く。

───うちのプロダクションに入りませんか？。

来月、花の中3トリオもデビューします。

繁茂、チッソを固定、土壌を肥沃化。よく分からんが凄く良さそう。これから準備を始める玉ねぎ、そのコンパニオンプランツとしてクリムソンクローバーの種を買ったのだけれど、ホワイトクローバーからも同じ香りがした。クリムソンがヒロミならホワイトはヒデキだな。直感的にタネを買い、本能的にヒデキ感激！。

───頭の中はお花畑ならぬクローバーでグランドカバー。

ちょっと楽しみなお盆直前の出来事。袋の裏の説明書きには、たねまきは9月中旬と記載されてたけれど、この子知ってる、シロツメグサでしょ？。子供の頃、四つ葉のクローバーを探して遊んだ雑草に金を払う未来があるなんて。夢にも思ってもなかったけれど…。

───でもイケる、だったらイケる、雑草だもの。

一度火がついた花咲か爺さんは止まらない。水やりついでにせっせと種まき。最悪の保険として、発芽用に使っている発泡スチロールの箱の中にもタネをまく。スイカもトウモロコシもここで発芽したパワースポット。この中で発芽したら、あっちこっちでも発芽している事だろう。種袋の情報によると、発芽までの日数は5〜7日。お盆が明ければ結果も出る。それまでは放置プレイで刻を待つ。

───何でなん？。

チャンスは一度、逃がしはしない。雑草は好かれない存在だと、隙あらば芽を出すものだと思ってた。だってそうでしょう？、学校、公園、グランド…。子供の頃は何処にでもあった草だもの。気を抜けば…草、じゃ無かったっけ？。けれど、待てど暮らせど芽は出ない。スイカだって発芽率だけなら100%だったのに、水だって定期的に与えているのに、どうした？、ヒデキ。情熱の嵐でも今年の夏は過酷過ぎた？。生きる力があるのなら、忘れた頃に芽を出すかも知れないし、このまま土に戻るかも知れない。ここから先は運任せで生への執着に賭けるしか無い。

───生きろよ、雑草！。

猛暑も落ち着き朝晩も涼しくなった。もうすぐ9月なのだから。9月になったらリベンジ種まき。お盆の愚行は無かった事に、しれっとまるっとホワイトクローバーのタネを買う。タネ袋を握りしめ、あの発泡スチロールの中を覗くと、盛大にホワイトクローバーが芽吹いていた。

───嗚呼、生きてたか！。

───タロとジロと再開した高倉健の気持ちがよく分かる。

この意味が分かるアナタ、そりゃもうお友達です。

自然の強さを実感する。ごめんね、信じてあげられなくて。今度からは、タネ袋の裏に書いてある「まきどき」を守るよ。雲の向こうはいつも青空。諦めムードからの逆転劇に元気をもらう。雑草だって、うちの畑じゃドル箱スター。だから畑観察はやめられない。人生初のスイカを収穫した日に起きた出来事。そして更に、もうひとつの復活劇が同時進行していた。

この話はまた明日。