食えるんか?初めて育てたスイカを収穫

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初めて育てたスイカ収穫
自家菜園
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───スイカ畑は戦場だった…。

多くの同胞と共に収穫の時を待ち、共に収穫の喜びを分かち合う。そんな未来は何処にも無かった。行くたびに無残な姿で僕を待つ。それは、ボンバーマンにやられたパックマンのよう。いつもそう、いつだってそう。雨上がりはいつも怖い。今日もまた、2個のスイカが爆発していた。

───この子らで10個目である。

割れた水はパックマン

静かに亡骸を土に返し、秋野菜の準備を始める。今日は大根の土を作ろう。泣いていいのは、おトイレか、パパの胸の中だって…。如何なる時にも笑顔を絶やしてはいけない。未来は今と同じ材料で出来ている。こんな時こそ未来への準備が必要なのだ。

今日はですね、牛の糞をお見舞いするぞぉ〜。

地面を耕していると背後からの声。ピーチ師匠の声だった。軽トラの荷台には半分に切られたドラム缶。何それ、BBQ?。スイカよりもそっちが気になって仕方ない。

───サヨちゃん、このスイカ、既に収穫の時やで。

一個のスイカに指を刺す。最も大きく小さなスイカ。それは、僕の畑で一番大きな子であった。だがしかし、収穫イメージには程遠い。小さいにも程がある。

───知ってる、これはまだでしょ。

その子の蔓が枯れたのは知っていた。だけれども…だ!、まだ幼い。もしかしたら、これからもっと伸びる子かも知れない。その期待は一言で打ち砕かれる。

───いやいや、もう無理でしょ?。今、採らないと腐るで。

師匠に言われるがまま、渋々、枯れた茎から切り離す。ちょうどボーリングの球サイズだ。叩くと良い感じの音はすれど、この子は大玉品種なのである。サイズの違和感から嫌な予感しかしない。作業中だった場所の隣にスイカを置いて、僕は黙々と未来への準備を再開する。「トウモロコシ、モノになったやん」という捨て台詞残し、爆音と共に軽トラは山の方へ走り去る。やっぱ、BBQやな…。背の低いトウモロコシだけれど、プロの見立てが少し嬉しい。そう言えば、初めて褒められた気がする。

───それはそうと、このスイカ…食えるのか?。

大根ゾーンが仕上がる頃、またもや師匠が現れる。荷台には半分に切ったドラム缶、BBQのお誘いか?。それに加えて、桃の木を守る巨大なネットが山積みだった。そして、僕は自分の目を疑った。軽トラから降りるや否や、師匠は僕の畑にそのネットをぶち込んだのだ。

なんでなん?。

───トウモロコシ、カラスに喰われるで。

知ってる、それはホント。

このネットをトウモロコシに掛けろという事なのだろう。巨大なネットに沢山のイチジク。そして、スイカを一個手渡され、軽トラは山へと帰って行った。ガタガタとドラム缶の音を立てながら。

───やっぱBBQやろ!、なぜ呼ばない?。

もらったイチジクとスイカ

ネットもイチジクもありがとうだけれど、スイカには何かしらの意味がある。「可哀想だからあげるよ」なのか?、「食べ比べて次回頑張れ」なのか?、僕のスイカと同サイズなのが気になって仕方ない。昭和の男は本質など語らない。一を知って十を知れ、盗んで覚えろ、盗まぬお前がアホなんだ。亀仙人、ベストキッド、ジャッキーチェンのお師匠さん。いわゆる昭和システムである。

───兎にも角にも食べてから。

ぬるいスイカは嫌だから、スイカは一晩冷蔵庫。ちなみに、ネットはトウモロコシに掛けて帰った。それにしても大き過ぎる。一枚で僕の畑を覆い尽くせるサイズ感。それもふたつ。もしかして、サツマイモまで覆えという事だったのかも知れないけれど、今夜は笑ってイチジク食べよ。

───サヨリは今日も元気です。

次回、「食えたんか?初めて育てたスイカの味は?」乞うご期待。

コメント

  1. あぁ‥ピーチ師匠、カッコいい~!。そう?やっぱり?亀仙人的キャラの認識で正しい?。私ね、登場される度に内心、亀仙人と呼んでてね、何でも知ってるけど、気負いの無い感じとか、かっこいいなって。-あ、それからドラム缶。田舎だとドラム缶、色々使えますよね。コンポストや、コンポストトイレを作ったり、焼却炉を作ったり。畑の脇とかに、焼却炉があって枯れ枝とか処分して、灰になったらph調整に使って、とか。勿論、BBQも! 答えを知りたいなぁ。

    • そうですねぇ〜、パフパフ要素はそのままに、亀仙人に髪の毛生やして、もうちょい掴みどころを無くした感じ。嘘の中に真実を紛れ込ませるタイプと言ったところでしょうか?。ドラム缶の謎も知りたいけれど、あのドラム缶が欲しいです。芋掘りの時に焼き芋したい(笑)。

  2. 師匠かっけー(*´∀`*)

    • そうなんですよ、いちいちカッケーお方です(笑)。

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