玉子のパックは小さなビニールハウス。

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玉子パック
自家菜園

───捨てるには惜しよな、カリメロ。

高騰止まらぬ玉子のパックが捨てられない。分別用にシールを剥がして小膝を叩く。そうだ、この手があった。この中に種をまこう。フタをすれば透明な屋根にもなる。保温効果にも期待が持てそう。もはや玉子パックがビニールハウスに見え始めた。

───ど・れ・に・し・よ・お・か・な・?

買い込んだ種からゴールドラッシュに白羽の矢。去年、畑でもぎたてを頬張ったトウモロコシの種である。その味が旨いを通り越して、記憶をかき消しもう一度、初見で食べたい味わいあった。その味を育てない選択肢など僕は知らない。

トウモロコシ

2023年2月25日(土)、翌日の予想最低気温は零度。その低温に不安も残る。けれど室内で育苗するならイケそうでもある。まずは10粒まいてみよう。トウモロコシの発芽期間は一週間。芽が出たら引き続き50本ほど苗を作る算段である。その頃には気温の心配も薄まっているに違いない。実験的にやってみる。

───いつだって種まきはギャンブル。

いけっかなぁ、いけるのかなぁ、まだ早いかなぁ・・・。種まきに対する経験不足と成功体験の少なさが邪魔をする。銭を出すのが惜しいから、去年なら間違い無く畑の土を入れたであろう玉子のパック。でも今年は違う。畑の土を使うと雑草の芽との区別がつかなくて困るのだ。虫を事務所に連れ込むのも好きじゃない。

───そういう事もあろうかと、土は既に購入済み。

さし芽・種まきの土を丁寧に玉子パックに敷き詰める。霧吹きで土に水を含ませてから、指で10個の穴をあけ、その穴にトウモロコシの種を入れる。種は尖った方を下向きにして。その上に土を乗せ、再度、霧吹きで水分を含ませたらセット完了。玉子パックのフタを閉じてクリップで固定する。

───時間にして僅か半時。

楽な仕事である、芽吹きさえすればな。定期的に玉子パックはゴミになる。どうせ捨てるなら有効活用してから成仏させたい。この物価高だからこそ余計にそう思うようになった。

ブラウン管のチャンネルを回して、ぴよ、ぴよ、カリメロを見ていた頃。市場に玉子のパックの記憶が無くて、今日もサヨリは元気です。

だってそうでしょう?、一個の玉子を「買って来い!」とおつかいに出された時代である。裏を返せば、玉子は一個から買うものだった。当然、肉は量り売りである。その僕が、玉子パックを初めて見たのは小学高学年の頃だったと思う。

───玉子パックに未来感があった。

あの独特の形状から、僕が最初に再利用を試みたのは絵の具のパレットとしてである。ちょうどパレットが割れたのだ。中学生まであと数年。毎日、絵を描くわけでも無い。描く必要性すら感じない。だから新しいパレットを買ってと言えやしない。

───使えれば何でも良いのよ。

図工の授業でパレットが必要な朝は、家のゴミ箱から玉子のパックを拾って登校したのも懐かしい。そういうの、今ならいじめの対象になるのだろうか。無駄に畑に金を突っ込んでも意味が無い。金を突っ込みゃ誰でも出来る。ゴミからお宝を見つける眼を持とう。

だからペットボトルが捨てられなくて(汗)。

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