想い出のスポーツバッグ

夏空
雑記・覚書き

───1980年は何もかもが輝いて見えた…。

イモ欽トリオ、チェッカーズ、金八先生…山口百恵と三浦友和のプリッツから、松田聖子と田原俊彦のポッキーへとグリコのコマーシャルが移り変わった年、横浜銀蝿も欠かせない。いったい何が激変したかと言うと、1980年はランドセルから学ランに代わり、電車もバスも大人料金になった記念すべき年である。

───何もかもが新鮮だった。

ある意味、架空の存在だったドカンとリーゼントの先輩たち。それを目の当たりに、いるんだぁ〜ホントに、って、マジマジ見てたら校舎の裏に連れて行かれた。それも今となれば楽しい想い出。だってそうでしょう?、夕陽丘の総理大臣でありがちな展開だもの。都合よくイケメン先輩が助けに入るなんて、そんな事ある?。

───カッケーな、あのスポーツバッグ。

当時、僕らの中学はマンモス校であった。1学年あたり500人オーバー。そんなの同級生でも覚えてられない。先生ですら把握出来ない。つまり、僕と先輩との接点はそれっきりこれっきり。クイッククエンチに似たアディダスのスポーツバッグ。そのバックを目印に探しはするけど見つからない。人気のバッグらしく誰しもが持っていたのだ。ある意味、学校に売りつけられたのかい?って勢いで。

───嫉妬すら追いつかない、憧れすら届かない。

松村雄基が見つけられない。せめてバッグだけでも同じの欲しい。この気持ちが理解出来るアナタ、そりゃもう、お友達です。ダメ元で親におねだりするとすんなりと了承を頂く。それは、小さくガッツポーズを決めた声変わりの春の出来事。その時すでに、僕は大きなミスを犯していた。後に身を持ってホウレンソウ(報告・連絡・相談)の重要性を知る事になる。

───翌日、大きなマルナカの袋を手渡される。

マルナカとは地元で最大級のスーパーである。憧れの先輩と同じバッグが手の中に。しかし、そこは反抗期の一歩手前のお子ちゃまである。平静を装い部屋に戻る。その後は狂喜乱舞、基礎英語を聴きながら、クリスマス映画のワンシーンのように、マルナカの袋からバッグを取り出し地獄に堕ちた。

───コレジャナイロボだった。

そこにadidasの文字は無く黒いネコ科のシルエット。知ってる、それプーマでしょ?。アディダスの宿敵、プーマのスポーツバッグが目の前に。それでも人気のブランドだもの。ガッカリ半分、嬉しさ半分。翌日からプーマのバックで登校すると新たな悲劇が発覚した。

───プッシュ買ったの?。

前の席の友達になったばかりの友達が、なに言ってのか分からない。プッシュって何だい?、何かを押すのかい?。少しムッとしていると、後ろの席の優等生系の友達になったばかりの友達から説明を受けた。

───PUMAが本物、PUSHは偽物。

それでもやっぱり理解出来ない。早口なのがイケすかない。だって僕らは今、英語の授業でアルファベットを習い始めたばっかだし。そんな難しい事を言われてもねぇ。更に優しく丁寧に、気の毒そうにと言うべきか…。

───ラコステのワニが立ってるのと同じだよ。

ラコステ知ってる、タチワニ知ってる。あ〜…これがパチモンとかバッタモンってやつですか?。その瞬間、親にも言えない悩みが増えた。あれから中学生活をプッシュのバッグで過ごしたのは言うまでもない。夏になると思い出す、否応無しにも蘇る。覚えてないのに忘れられない、PUMAが本物PUSHは偽物。

この夏もPUSHが床に転がっています。おねだりは正確に伝えましょう。

コメント

  1. せ‥切ない‥。でもPUSHは、未来へのメッセージ。サヨリさんが来て、ブログ再開をプッシュする事になったんだもの。ある意味、ノストラダムスの大予言よりもスゴいですよね?

    • サヨリさんがいなければブログを書くことも無かったし、サヨリさんにpushを思い出さされる事も無く、全てが仕組まれているかのようです。パチモンにしては丈夫なスポーツバッグでした(笑)

  2. 辛い( ̄▽ ̄)
    泣きながら読みました。
    わしもそんなんばっかりだったなぁ

    • おお、魂の戦士じゃ!。

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