猪がキタ!畑への短い坂を登ると…

猪侵入口
自家菜園

───裏返った葉、食べかけの芋、折れ曲がった柵…。

畑への短い坂を登ると地獄が見えた。

予想はしていた、覚悟もあった、でも何でなん?。芋畑の中心のミステリーサークル。知ってる、それ猪でしょ?。畑の入り口でほくそ笑む。だってそうでしょう?、ご丁寧に入り口の鉄柵をスプーンのようにねじ曲げて進入って…お前、ユリ・ゲラーか?。家の玄関をぶち壊して入ったのと同じ所行に桑原和子しか浮かばない、吉本の。

ごめんください、どなたですか?、裏の猪さんです、ありがとう。

───笑ってないとやってられない。

ねじ曲がった鉄柵を見てほくそ笑む。人間ってのは不思議なもんだよな、脳のキャパが超えたら笑うように出来ている。怒りよりも笑い出る。嗚呼、自己防衛。掘り起こされた畝を見てもやっぱり笑う。へへへ…。芋の残骸で何を思ったと思う?。

───へぇ〜芋が出来てるじゃん。

怒りよりも、悲しみよりも、ちゃんと芋が出来ていた事に心臓が揺れた。とは言え収穫にはまだ幼い。もう少しあと少しと言うところ。競馬なら第四コーナーをまわったあたり。直線コースまで後少し。惜しい、実に惜しい。その現実に笑う以外の選択肢なんてある?。

───さて、穴でも塞ごうか。

進入経路は入り口で、脱出口は10メートル先の柵。現状この2カ所がウィークポイント。畑には下手に手を掛けない方が良いだろう。取りあえず修復作業が先決だ。通りすがりのピーチ師匠、わざわざUターンして戻ってきた。

───サヨちゃん、やられたな(笑)。

なにその、「今日から君もアベンジャーズだ!」みたいな笑顔。それ、やめてもらって良いですか?。他でもない、師匠の芋もお盆前に猪に壊滅させられていたのだ。つまりは「ようこそ地獄へ!」なのである。

───こんにちは、猪すごいでしょ?。

火事場の野次馬の如く同僚ワーチャンが口火を切った。初対面の師匠との井戸端会議。何それ知り合い?つき合ってんの?、今日もサヨリは元気だけれど、喋ってる暇があったら手伝えよ。

「もうオワタ」「今度は仲間を連れて来る」「これはダメだな」出てくる話題がいちいちマイナス。こちとら心のネジが緩んでんだ、プラスドライバーで心のネジ巻くとか出来ない?。

そう思いながら、僕は黙々と柵を直す。このままじゃ帰れない、ヘタレと思われるのもシャクに障る。スイカを採りに来ただけのワーチャンだって帰えさない。タイミングが悪かったな、お気の毒!。

───持ってきて、杭。こっち持って、網。

杭で柵を強化しつつ、手持ちの網で更に強化。芋の畝全体にも網を被せて再強化。イチゴを練乳でパワーアップかの如く作業を進める。それでも心許ない、心配性のA型だもの、こんな事で納得しない。杭を増やして剛を取るか、網を増やして柔を取るか。どちらにしてもホーム・センター行きが確定し、僕は暑さに目眩した。

───お茶行こう。

9月なのに汗まみれ、こんな事になるなんて、一滴の水すら持ってない。このままじゃこっちがお釈迦、猪の前に熱中症でやられてしまう。外柵の応急処置を済ませ、僕らは逸珈琲へと車を走らせた。そう、前回の記事で書いた珈琲ショップ。その後、思いつく限りの策を講じたのは言うまでもない。

そっちがそうならこっちも本気マジだ。

───中秋の名月、9月10日(土)午後の出来事。

翌朝、つまり昨日。早朝から畑の監視。昨晩、猪は来なかった。安堵の気持ちと未来への恐怖。芋掘り予定日まであと20日。

山のギャングとの戦いは始まったばかり。ギャグにならぬ事を切に祈る。

コメント

  1. 覚悟のある猪、来ちゃった‥。いつもの読み慣れた名セリフ。喰っていいのは、喰われる覚悟のある奴だけだ!牡丹鍋、上等!って、幼いお芋ちゃんを‥あぁ、その先はもう‥。被害にあうと毎回、思います。何故、一つ一つをきちんと完食しない?ちゃんと完食すれば、ある程度食べたら満腹になるでしょ?って。あれもこれも、かじって食い散らかすってね、贅沢に選り好み?、そんな事すると、私の分が減るでしょって。そちらの被害はどんな食べられ方でしたか?

    • 気分が悪くて注意深く見てませんが、こちらも同じで食い散らした感じです。まだまだ芋が小さいから撤収したのかも知れません。トウモロコシと南京も餌食にされたのですがトウモロコシは、ほぼ収穫済みだったので精神的ダメージは少なかったです。牡丹鍋、牡丹鍋、牡丹鍋食べたいとワーチャンがずっと言ってました(汗)。

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