――2023年5月16日(火)。
桃畑に行く途中、行きつけの苗屋でサツマイモの苗を買う。予告通りの坂出金時10本を。これは、芽出しをさせた種芋がダメだった場合への保険である。とは言え初めてのおつかい。苗の値段を僕は知らない。苗屋でお気楽に頼んでいる風に見えても、その実、ドキドキである。入店前、財布の確認に抜かりない。三千円もあれば足りるであろう。幾ら空前絶後の物価高でも、そこまではしないだろう。
――400円です。
1本が?、マジで?。一瞬、思考が停止する。財布の中身はさっきと変わらない。つまり……足りない――「1本が?」そう、聞き直すと10本で400円であった。「だよねぇ~、じゃ、甘い方のも10本」と言うと在庫が無かった。それでも、もの凄く得をした気分で畑に向かう。
立派な芋苗である。こんなに手間暇掛けて、未だに大きくならないうちの種芋とは雲泥のサイズであった。それと同時に、サツマイモの苗は買った方が安いなとも思ってしまう。悪魔が僕の耳元で囁き始める。
けれど、芋の芽出しはアトラクションのようなもの。実験を兼ねたお楽しみである。なんだかんだと思いながらも、結局、来年も芽出しチャレンジをしているのだろう。こう言うネタは友人も喜ぶから。だから、そう簡単にはやめられない。
畑で芋苗を植えていると、桃畑からドヤドヤと馴染みの面々が出てきた。昼休憩の為にである。僕の悪行を発見するや否や、
――それ、近い!。
奥様からの鶴の一声。思えば、去年も同じ事を言われたっけ。前回は成功だったから素直に株間を開けて顔を見上げる。
――沢山取りたかったら欲張ってはいけない(笑)。
去年と全く同じのフレーズに頭を下げた。この間隔なら、残る植えつけ可能本数は、20本~25本。合計35本なら、昨年の倍以上植えつけた事になる。昨年と同等な収穫高だったらと思うとウハウハな気分になった。
でもご覧の通り、苗がフニャッになっている。それは去年も同じで、サツマイモは一度枯れたようになる。ブログを読み返すと、昨年、活着したと喜んでたのは7月に入ってからである。何もかもが1ヶ月遅れの自家栽培。でも、今年はそれぞれの時期に合わせて苗の植えつけが出来ている。
我ながら一年続いたものだと思う。記事ネタ欲しさに始めた野菜作りであった。だから収穫に対する欲など無かった。兎に角、土作りと猪対策からと決めた。出来た野菜は地力を計るための実験である。だから、元肥も追肥もほぼやっていない。ここに植えたらどうなるのか?。それが知りたかったからである。そんな感じで続けていると、植え付けタイミングや追肥タイミングが何となく分かるようになってしまうのも不思議である。
向日葵に浸食された種芋はさつまいもの畝に引っ越しさせた。しっかりと保険を掛けたのだから後は待つのみ。今年のサツマイモの出来映えは如何ほどか?。期待しない方がどうかしている。
――お荷物で~す。
僕の友人は驚くほどタイムリーだけれど、相棒も負けず劣らずのタイムリーな人である。サツマイモの苗を植えた翌日。つまり、今日。相棒から小包が届いて、今日もサヨリは元気です。
――健康第一! きばりすぎるな! \(^0^)/。
そう、大きな文字で書かれていた文面に、ナニコレ、もう、嬉しいじゃん(笑)。小包の中には、ごはん保存用の容器と、お米の虫よけと、黒にんにく。それと昨年、友人が育てたサツマイモが入っていた。僕にとって、世界で一番嬉しいサツマイモである。今夜、蒸して頂こうと思う。
――塩味は……要らないか(笑)。
コメント
最近はタイミングが良すぎる話を聞いても、あまり驚かなくなってきた笑笑
ははははは。もっとね、こいうのを体感したいけれど、コレが友から最後のタイムリーっす。バトンは相棒に手渡されました(笑)。
いや、わからん。釣り道具の置き場所外にも、まだ何かを隠しているかもしれない。内心、今すぐに他の場所も探したいけれど自分の家ではないから出来ない。でも親戚の家だから、その時期とかになれば入る場所がまだあります。子供時代も自宅の裏庭に秘密基地を作ったり、お菓子の空き箱にビー玉やおまけのシールを入れて穴を掘って埋めてたり…。囲碁も好きだったから、まだ先を読んでいるかもしれない。なにしろ永遠の少年。この人なら、まだ何かあるんじゃねーの?そう思っています(笑)ていうか、最後って言うのさびしじゃん?。
そうですね。また、マコト殿から始まる司令文が隠れているかもですね(笑)。その日が来るのを待っています。いつまでも。