文字だけで……これが簡単そうに見えて難しい。
昨今のブログでは、キャッチーなフレーズに加え、テキスト+画像+動画で記事をまとめるのが主流である。それに加えてネットの声としてSNSの投稿を添える。ユーザーがブログに求める要求がそれなのだから正解である。僕のブログもその線路の上を突っ走っていた。僕のブログがアクセス至上主義だった頃の話で、今日もサヨリは元気です。
でも、なんか違う……。
そう思い始めたのは、齢五十を超えてからである。だってそうでしょう?、大黒摩季じゃないけれど、こんな年齢だし、親も年だし、年相応な文章だって書きたいし、今のまんまじゃ知人に「読んでね」とは恥ずかしくて言えやしない。
そんな理由からテキスト重視に舵を切る。アクセスなんて要らねーよ。とは言え、万年通信簿国語2の実力では、経験も、知識も、何もない。当然のように右往左往しながら現在に至る。
ひとつの事を続けていると、その後をついて来る者が必ず現れるという。そして、共に歩くようになり、やがて仲間が増えるという。あだち充で恋愛を学んだように、ジャンプからその事を学んだ。
けれど、現実の世界でジャンプシステムは発動しない。そもそも存在すらしていないのだ。だから独りで歩いてきた。これまでもそうだったのだ。これからもそうなのだろう。そう思いながらも、僕には後に引く気が全くなかった。ひとりだけ。そんな人が現れたらそれで良かった。でも、そのひとりさえも現れやしない。たぶん、多くのブロガーがそんな感じで更新を重ねているのだろう。
潮時か……
転機が訪れたのはつい最近である。僕の未来予想図とはまた別の、想定外の現象が次々と起こり始めた。たったひとりの読者の登場。そこから僕のブログを取り巻く環境が一変したのだ。エールを送り続けられると、蚊トンボだって獅子にもなれる。
そのうちに、正しい文章の書き方を指南してくれる人物まで現れた。しかも出版業界経験者。そんなことって、ある? こんなのラッキーなんかじゃない、ミラクルだ。
今日の手習い
その指導法が絶妙で、例えるなら蘇化子(そかし)であった。竹の棒でアホ弟子の動きをチョチョイと正す。絶妙なタイミングで最良の指導。アホ弟子は一度に出来ない。だから、小分けに教える。根気のいる作業の連続。アホ弟子は覚えが悪い。まさに、ドランクモンキー酔拳のユエンとジャッキーの師弟コンビのような感じ。けれど、未だに指でクルミが割れない僕がいる(汗) これが分かるアナタ、そりゃもう、お友達です(笑)
そんなお師匠様からの指導を受けて、ブログ記事を書き重ねると、今まで見えなかった世界が広がりはじめる。あらためて『邂逅』を読み直す。うん、粗が見える。改善の必要性を強く感じた。
最後まで読まれる難しさと、次へと読ませる難しさ。
それは、続き物の小説を書いた後で実感した。一話は読まれる。アクセス解析でそれは分かる。けれど、その先が続かない。二話以降からは読まれない。それは残酷な事実である。けれど、現実を素直に受け止めて対策を練ろう。
文章のルールと誤字脱字。
お師匠様は、書籍化を想定して指導してくれる。先日、漢字辞書まで頂いた。できるかな? けれど僕には紙の本になるイメージが全くつかめない。でも、日本語のルールはルール。お師匠様に素直に従う。それとは別に、ブロガーとして僕は別の行動を取っていた。
ネットの反応というやつである。
その反応を得るために、僕はツイッターを活用した。ツイッターはテキストの文化が根強い。作家、作家志望者、詩人、俳人……。日々、言葉の達人達がしのぎを削る場所である。そこに小説を晒す。絶対に怒られる! 誹謗中傷は怖いのだけれど、やってみる価値を信じた。
叩かれたら叩かれた時である。
泣いて帰ればそれでよい。でも、それだけで反応が出るほど世の中は甘くない。読ませる事が至難の業。次いで、読む人と書く人のアカウントをフォローした。気まぐれで読んでくれたらそれで良かった。気まぐれで感想を書いてくれたら……その期待は薄いのだけれど、二話まで読み進めてくれるかどうか。それが分かれば御の字である。
馬鹿にされたり、笑われたり、批判される恐怖があった。けれども、それで凹む事もないだろう。そもそも、自信が無いのである。この際、第三者にはっきり言ってもらった方がスッキリもする。それくらいで丁度良い。
そして、僕の偶々が再始動する。反応が出たのだ。僕がフォローした誰かが、偶々リツイートし、それをタイムラインで偶々見た人が読了し、感想を添えてリツイートしてくれたのだ。有り難い。
自分の良さが分かりません
この質問が師匠様にとって一番嫌であろう事は分かっていた。分かっていても師匠様に何度もした。心のどこかで自信が持てない自分がいたから。でも、お師匠様からの答えはいつも同じであった。そして、リツイートに添えられた感想も。
よかよか(笑)
友人の声が聞こえた。さぁ、漢字辞書、読も(笑)
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