───巷で壊れやすいと噂のポメラ。
中古だから使っちゃえ、使っちゃえ。壊れるまで使い倒せば、ポメラだって、キングジムだって本望だろう。いつまでもポメラを箱入り扱いしていてもはじまらない。そう考え、僕はポメラをリュックに入れて農園へ向かった。ゲームウォッチをポッケに入れて、駄菓子屋に行く子供のように。使ってナンボ、それくらいで丁度いい。
───井戸やん、これ井戸!。
今日の別の場所の桃畑。モンゴル平原を思わせる広大な土地に桃の木が並んでいた。あたりを見渡すと井戸があった。白いワンピースとロングヘア、ビデオ撮影にビデオ編集、井戸から這い上がりお茶の間のテレビからこんにちは。手間暇掛けたUber Eats。世界のホラークイーン貞子を思い出してテンションも上がる。
黙々と半日の仕事を終えてお昼の休憩時間。あぜ道に腰掛け、ポメラとカロリーメイトを取り出した。その勢いから、この記事を書き始める。結局、帰って書き直したのだけれど、直射日光の中で、ポメラは本領を発揮した。
───画面が見易い。
直射日光を浴びると液晶画面の文字が更によく見える。やっぱりポメラはアウトドアがよく似合う。カタカタとキーボードを叩いていると、通りがかりのお農家さんらに「それ、なんね?」と声を掛けられる。
───最新鋭のiPhoneです。
その声は、今日の晴れ空に響きわたる。一片の曇りも無く、僕はそう言い切った。もちろん、真っ赤な嘘である。でも、大丈夫、大丈夫。次もまた同じことを訊かれるに決まってる。キャベツ、にんじん、エンドウ豆…わずかな間に様々な野菜が僕の前を通り過ぎた。
───五月の風が心地いい。
ウグイスのさえずりに耳を寄せ、カロリーメイトを齧るお昼時。日常とは異なる感覚に、ふぅ〜っと、旅をしている気分になる。屋島の麓で腰を降ろし、流れる雲を眺めると、あの旅の名言が頭に浮かぶのも不思議です。
屋島の町を彩る、家々の眺めが、糸ようじ。11世紀、源平合戦古戦場と言われた町も、糸ようじ。宙吊りの家に浮かぶ、糸ようじ。
───小林製薬の糸ようじ。
何が言いたいのかというと、これが笑えたアナタ、そりゃ、もう、お友達です。
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