2024-06

木曜日(雑談)

地獄で拾ったお土産

───木曜日は雑談の日。  二〇二四年六月十八日(火曜日)に桃の摘果と袋掛けが終わった。五月二日からのスタートだから、約一ヶ月半の道のりだった。今年は人手が少なかったのだが、去年と比較しても三日遅れでエンドです(笑)  人手不足は理解している。でも、暇を持て余したコロナ禍とは事情が違う。僕の時間も限られている。悪いなと思いながらも作業時間をセーブした。つまり、一日あたり三時間以内での参加だった。やれるだけ手伝う気持ちの向こう側。僕は新たな技を獲得した。それは、エレガントで画期的で作業の速度を一気に早めた……それを実現させたのが100均の手袋だった。  桃の摘果に必要なのは、瞬時に悪い子を見極め...
水曜日(猫の話)

飼い猫信長と野良猫家康(エモいの使い方)

いつもの屋根で家康はくつろいでいた。この一帯が家康の縄張りであり、見張りをするのに丁度いいのだ。そこのブロック塀の上、高々と尻尾を上げて歩く白い猫───ケイテイか……。家康は、ぼんやりとケイテイの姿を眺めていた。 「なぁ、家康ぅ~」  聞いたような声の先に、見たことあるような茶トラがいた……誰だっけ? 「馴れなれしいやんか? わけぇ~の。お前、誰だっけ?」  思ってもみない言葉に、信長は驚いた。 「ほら、あそこ。白猫の名前を教えてくれたやろ? どんだけ、高齢やっつーたって。2、3日前のことくらい覚えてるやろ? な、そんな目で俺を見るなよぉ~ 家康ぅ~」  信長は寂しげな瞳で家康を見つめた。  ...
火曜日(レビュー)

よつぼし苺の種のすべてが発芽か?

───火曜日はレビューの日。  五月七日にまいた種。小さな苺の種が発芽した……未だに自信がないのだけれど、苺の苗のカタチっぽくも見えてきた。きっとたぶん、苺だな? 前回、発芽を確認……否、確信した目は四粒中二粒だった。50パーセンなら上出来だろう。全滅よりも全然マシだ。  四つのポッドに水を与え続けて一ヶ月を余裕で超えた。もはやこれまで。そう思って、未発芽のポットの処分を考えていると、苺の芽らしい物体を確認した。そう、最初のふた粒は半信半疑で、ぬか喜びが怖くて、撮影しなかった小さな芽。それとよく似た双葉が見えて、今日もサヨリは元気です(笑)  普段食べる苺を思い出してほしい。苺の表面に見える白...
月曜日(畑の話)

プリンスメロン立体栽培

───月曜日は畑の話。  これまで話題にしなかったけれど、畑でプリンスメロンも育てている。もちろん種から発芽させていた。プリンスメロンを話題にしなかった理由は簡単である。育てる自信がまるでなくて、今日もサヨリは元気です(笑) だって、そうでしょ? 去年と一昨年、メロンにチャレンジしたものの、成功事例が一度もない。これにはさすがに凹んでしまった。だから、発芽程度じゃ喜べない。  慎重に、慎重に……。畝に植え付けたら記事にしよう。そんなぶらり散歩気分で、気長に苗の様子を見ていた───そろそろじゃ! 苗を畝に植えた翌日、幼い葉っぱがウリハムシに齧られた。齧られた葉っぱは穴だらけで、それはそれは無惨な...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨの父の日

今日は、六月第三日曜日───全国的に父の日である。  父の日だからって、我が家の夕食はいつもどおりだ。かろうじて、母の日の名残りはあるのだが、父の日はごくありふれた日曜日。けれどツクヨが我が家の一員となった今、状況が少し変わった。ツクヨには父と呼べる存在がいない。それを気遣い、お茶の間をピリピリさせていたのは、俺とオトンだけであった……。  口チャックにテレビまで消して、父の日情報を遮断する。父の日は───ツクヨに禁句だ。  いつものように夕食を始めると、思い出したように、ツクヨがテテテと部屋に戻っていった。条件反射で俺は訊く。 「アヤ姉、ツクヨは?」  トボけた感じでアヤ姉が答える。 「そっ...
土曜日(ショート・ショート)

偽りの読書感想文

───彼女の気持ちを知るために、僕は、目を塞ぎ、耳を塞ぎ、口を塞いだ。彼女の名は、ヘレン・ケラー……。  夏休みの読書感想文。それが、僕のトラウマだ。  小学四年の春、新学期。島の小学校に新しい教師が赴任した。若い女の先生だった。新しい先生に、僕らは興味津々だったけれど、行動も、言動も、授業も……彼女のすべてがギクシャクしていた。  島の子どもはコミュニュケーション能力に欠ける。意見があっても言葉にできない。考えがあっても文書にできない。つまり……上手く反論できない。それは、どうしようもないことだ。何をするにも高圧的でヒステリック。僕らに手を上げることが何度もあった。彼女の器が小さすぎたのだ。...
金曜日(小説の話)

飼い猫信長と野良猫家康は苦肉の策

───金曜日は小説の話。  水曜日に投稿した〝飼い猫信長と野良猫家康(出会い)〟は、これまで温めた物語……ではなかった。締切に追い込まれた結果、偶発的に生まれたイレギュラーが彼らである。だって、そうでしょ? ポンポンといい感じのストーリーなんて思いつかない。言葉が通じない人間と猫との組み合わせにも無理がある。エグい描写のホラーなら、何本か書けるしアイディアもある。でもそれは、僕のスタイルじゃない。少なくとも、それを書くのは今じゃない。水曜日の投稿当日。筆が止まって何も浮かばず、今日もサヨリは元気です(笑) うん、ピンチだ(汗) ───二匹の猫が会話する。  その発想へ辿りつたのは、仕事を終えた...
木曜日(雑談)

ブログ読者様からのリクエスト

───木曜日は雑談の日。  ブログを書き続ける最大の壁がネタである。それは、ブロガーすべてのラスボスと称しても過言ではない。書き慣れたブロガーが書き続けることは容易い。けれど書くことを探すこと。それが事態をより困難にさせているのだ。だって、そうでしょ? これまで幾度も書いているけど、毎日の更新にはネタがいる。何かを書こう。そう思わせる動機と言い換えてもいい。それが思い付かない時の焦りたるや……地獄である(汗)  端的にネットニュースから情報を拾えば、アクセスに繋がるし、日々のネタにも困らない。無限に書き続けることが可能なのも知っている。平成の時代にそれは経験済みだ。アクセスを稼ぎたいのなら、Y...
水曜日(猫の話)

飼い猫信長と野良猫家康(出会い)

───四国のとある田舎町。  とある民家の瓦屋根の上で、二匹の猫が睨み合っていた……。 「おい、茶色のわけぇ~の! 誰の許可を得て、そこで座ってる?」  大柄なキジトラ猫が、スリムな茶トラ猫を威嚇する。 「うっせーわ。おっさんこそ目障りや! どっか行きぃ~な」  若い茶トラも負けずと応戦。 「はっはーん! お前、飼い猫やな。赤い首輪なんてしやがって。そっか、そっか。世間知らずか。だから、ワイに楯突けるんやな。今日のところは大目に見たるから、家に帰って、ウンチして寝てろ。お坊ちゃまのボンボンに、外の世界は無理やで。外は弱肉強食の世界やからな」 「はぁ? この老害がっ! おっさんの方こそ、ホームレ...
火曜日(レビュー)

パイロットの万年筆を使い始めて

───火曜日はレビューの日。  スマホとか、タブレットとか、パソコンとか……。  若い頃は便利な道具だった。覚え書きとか写真で記録とか……とても、とても、便利だった。そう、とても便利に使っていた……と……思う。けれど時期がくれば分かるよ、付箋が最強アイテムなのだと。そもそも記憶力のない僕である。記録したことを忘れたり、記録を探すのに時間がかかったり、記録した内容が違っていたり……その便利さが時間泥棒になってきた。  だから、手書きにシフトしたのだが、スケッチブックやノートつーのも良し悪し。最速で最短。それを突き詰めた先に付箋があった。この手法、友人方式と呼ぶべきか? パッと書いてサッと壁に貼り...
月曜日(畑の話)

よつぼし苺の発芽を確認した……はず?

───月曜日は畑の話。  たぶんそう、きっとそう。  四粒まいたよつぼしの種。その二粒だけが発芽した……はず? 苺の発芽など見たことない僕である。自信を持って〝これが、よつぼしの芽ですのよ。ホホホホ……〟とは言えない。現段階で、この光景は憶測の範囲の話である。セミが鳴く頃になれば、この新芽も大きく育って、明確な答えも出るだろう。それは、2024年6月7日(金)の出来事。  金、土、日。  週末、畑に行く予定はなかった。週末は、悪天候の予報が出ていたからだ。雨の日は畑に行かない。それをオジャンにしてくれたのが、久々登場のワーちゃんである。リアルで顔を合わすのは数週間ぶりなのに、仕事を増やすとはこ...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨのこと、どう思っているのかな?

午前零時のダイニング。  ドアを開くとオトンがいた。ニヤニヤしながら、ひとり淋しく缶ビールを飲んでいる。酒のつまみはイカの足。テーブルの上に350mlの空き缶が二本あった。つまり、手にしているのが三本目。飲み過ぎだ……。  左手に持つスマホには、ツクヨの写真が表示されている。今年のハロウィン、仮面ライダー2号のコスプレ。ツクヨがオッツーの好みに合わせたのだろう。オッツーのベルトを腰に巻いて、ご満悦のよき笑顔である。オトンのスマホは、ツクヨちゃんの詰め合わせ。それを眺めて、夜遅くにニヤついていたというわけか……健気だ。 「まだ起きていたのか? 受験勉強、がんばれよ」  す、すまん……そうじゃない...
土曜日(ショート・ショート)

悪魔の罠、大気圏再突入

───ピピピピピピ……!!!  大気圏再突入、警報機の悲鳴、PC画面の表示領域から語りかける宇宙飛行士。 「ジャッキー!」  夫が死んでしまう───イザベラは絶叫した。画面に向かって、愛しい夫の名を叫ぶ。ジャッキーの横で新たな表示領域が展開した。そこに、総指揮官ジョーカーの姿が映し出される。 「ジャッキーを助けて! 総指揮官」  イザベラはジョーカーに懇願した。 「奥さん……申し訳ない。ジャッキーは有能な宇宙パイロットだった。我が国のために尽くしてくれた。そして、大切な我々の仲間だった……これから97秒後。大気圏再突入と共に、彼の宇宙船との通信は途絶える。上司として、友として、私からのお願いだ...
金曜日(小説の話)

オールA? 文体診断ロゴーンやってみた

───金曜日は小説の話。  去年の今頃、僕はショート・ショートを書いていた。いきなり小説なんて化け物なんか、書ける自信がなかったからだ。今の僕にはハードルが高い。だから、短い物語で練習しよう。ブログ王の構想を練りながら、短いお話を重ねれば、そのうち上手くもなるだろう。その延長線上に邂逅があった。  とはいえ、僕の人生プランに小説を書く予定など皆無である。だから、準備など何もない。右も左も分からない。相棒の力を借りながら、小説のヒントを弄まさぐりながら、僕はSNSの中でも模索していた。そこで知ったのが〝文体診断ロゴーン〟である。それは、己の文章を診断してくれるプログラム。頻繁に小説系アカで見かけ...
木曜日(雑談)

ホオズキカメムシがサツマイモに(汗)

───木曜日は雑談の日。  今年はカメムシ要注意! 去年の100倍くらい湧いている。  ペットボトルで作った捕獲器を手に持って畑の野菜を調査を開始。すると、ピーマンにホオズキカメムシが集たかっていた。え?……ピーマンなん? 僕の中でカメムシと言えば、いの一番にナスなのだけれど……三本あるナスにカメムシの姿が見られない。それって、今年のナスは美味くないってことだろか?  おい、不味いのか? うちのナスは不味いのか? ピーマンの隣の唐辛子でさえ、カメムシの姿はあるのに、それがとても不思議だった。  おい、お前。ちょっと来いや! いうーて、カメムシ呼んで尋問したい。小一時間尋問したい。うちのナス様に...
水曜日(猫の話)

白い猫

───僕は毎朝、電車の中で彼女を探す。  初めて彼女を見たのは高1だった。同じ時刻、同じ車両に彼女は乗っていた。名前も知らない彼女の姿。それを探すのが僕の楽しみになっていた。高3になった今でも続いている。見てるだけ。それで幸せ。もう、立派な変態さんだな……僕は。とはいえ、この生活も高校を卒業すれば終わってしまう。告ることすらできないだろう。でも、それでいい。あんなに可愛い彼女である。彼氏がいるのに決まってる……。  春休み、夏休み、冬休み。僕はそれが嫌いだった。だって、そうだろ? 何日も彼女の姿が見られない。高校最後の夏休み。窓越しで空が荒れ狂う。僕は二階の自室から、強風で流れる雲を眺めていた...
火曜日(レビュー)

釘も使わずパレットすのこを本棚に

釘も使わずパレットすのこを本棚に ───火曜日はレビューの日。  辞書から始まり、小説、専門書、絵本、コミックスに至るまで。読者の方々から書籍をもらう。その中には、とある公園のパンフレットまで。そのすべてが、小説の肥やしにしてください。書き手冥利に尽きる贈り物に〝ありがとうございます〟の言葉しか僕は知らない。それが、まぁまぁのボリュームになれば、本棚の選択肢も視野に入れて、今日もサヨリは元気です(笑)  とはいえ、本を並べる場所は重要である。理想は僕のデスクの上だ。その場所が鉄板であり、そこ以外に置くのなら段ボール箱の中と変わらない。だって、そうでしょ? 事務所にいるとき、僕はその方向しか見て...
月曜日(畑の話)

春じゃが(十勝こがね)収穫

───月曜日は畑の話。  十勝こがね……常連のみなさんは、この名前を覚えているだろうか? 二月二十七日(火)に植えたじゃがいもを。今日の昼休み、ようやくの収穫である(笑)  芽が出るまでに時間を要して気をもんだ。けれどもそれから、さして何をするでもなく順調に育った。そして収穫の時期を迎えたのだが……順調に雨が降る。じゃがいもを、掘ろうと思えば雨なのだ。その度に順延である。とっとと掘りたい次もある。軽くストレスを感じながらも、ようやく続いた三日晴れ。ようやく迎えた収穫まつり。じゃがいもの葉が、盛大にカメムシにやられてたけれど、本丸は土の中だから問題なしです(汗)  数時間前の話を記事にする時間の...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨの桃を召し上がれ

「お前もひとつ、選んでみるかい?」  じいちゃんの気まぐれがブランド商品を生み出した。  草刈り、摘果、袋掛け。五月に入ると親戚の桃畑が忙しい。昨今の人手不足と農家の高齢化問題とが相まって、中二になった俺にもお鉢が回る。日曜日なのに桃畑。脚立の上で桃の実を間引く。遊びに来ていたオッツーまでもが脚立の上で汗を流す。何か……すまんな、オッツーよ。  オッツーが行くのなら、コイツが来ないワケがない。もれなくツクヨも付いてくる。赤い長靴に麦わら帽子。一瞬で畑のアイドルの座を射止めたツクヨは、動物園や水族館にでも来たかのように、キャッキャと桃畑を満喫している。相も変わらず自由なヤツじゃ。  そこで、じい...
土曜日(ショート・ショート)

透明人間と呼ばれた男

目立たたない人がいる───あれ、いたの? な体質の人。オレもそんな人間だ。ただ違うのは、オレの存在が極端に認識されないことである。透明と言えば聞こえもよいけど、無味無臭な透明人間となれば話も変わる。  いつもそう、いつだってそう。オレの名が認識されても、そこにオレがいると認識されない。厄介なことに、その理由がオレにも分からない。気配を消しているワケじゃない。むしろ……その逆。だから話をややこしくさせてしまうのだ。仲間との会話に混ざって発言だって抜かりないのに、後になって「あれ、いたの?」とは些か悲しい思春期だった。  目立たないオレにだって友達はいる。オレのクラス全員だと言っても過言じゃない。...