茄子とオクラのみそだれ

ぐるめ・試食

───秋茄子は嫁に食わすな。

昔からそう言われているけれど、こうも毎日、茄子が続けば嫁だってお断りだよ!。褒め殺しならぬ旨いもん殺しである。友人知人にお裾分けして急場を凌いで来たけれど、カタチの悪い子は僕の担当。大自然の恵みに感謝し命を奪いその命を大地に返す。野菜を育てるならトイレまで。当然であり必然である。

───だがしかし、7月後半になると事情が変わる。

苗が若いうちは良い感じのお茄子が採れた。小ぶりだけれど、スーパーの味に引けを取らない自負もあった。けれど、花の命は短くて。強い太陽光線と水不足が相まって茄子の出来がイマイチ良くない。つまり、茄子は行き場を失い毎日が茄子である。それは胡瓜だって同様だけれど、胡瓜は良いのよ、胡瓜だから。水代わりのガリガリ君だと思えば辛くない。生で何本でも食べられる。

その反面、茄子はそうはいかない。調味料が無いとやっぱ無理。鰹節をまぶしてからの大蒜にんにく醤油で誤魔化して来たけれど、僕の舌と胃袋が、そろそろ限界突破を向かえようとしている。一言で言うと、飽きたのです。

───茄子に合う調味料…。

ケチャップ、マヨネーズってどうよ?、あ、、、無理無理無理、生理的に受け付けない。茄子は大和撫子、和風じゃないと似合わない。畑仕事の帰り道、おみやげの茄子がやけに重い。ビニール袋の中に入れられた、今日の野菜は外柵にぶら下げられたまま帰路を待つ。

───茄子出来たんか。

近所の畑のじいさんに声を掛けられる。知ってる、それ、じいさん売ってるヤツでしょ?。相手はプロ、茄子のプロ。茄子のアベンジャーズに「茄子いるかい?」なんて、口が裂けても言えやしない。逆に茄子のお手本を持たされた未来が見える。続けてナスの鉄人の一言で、ポンキッキくらい道が開けた。

───これ、味噌つけて喰うと旨いぞ。

今、トニー、良いこと言った!。

そだねー、味噌の手があったねぇー。だったら焼き肉のタレ(味噌)だって同じだよねぇー。昼と夜との境界線で、今夜のレシピがイメージ出来た。その前に、猫の食材とタレの調達である。

───鶏肉、鶏肉、こけこっこ〜。

2022年7月現在、愛猫サヨリのマイブームは鶏肉である。蒸した鶏肉に目覚めたらしく、あんなに好きだったまんぷくパウチなど見向きもしない。とは言え、お刺身よりもリーズナブルな鶏肉だから文句も言えない。鶏肉ついでに焼き肉のタレを選ぶ。今回はKANEKOのみそだれにした。リンゴ、マンゴー、トマト、レモンの表記が決定打。実に甘そうである。

───先ずは、スチームクッカーにセッティング。

下段に鶏肉、上段に茄子とオクラを配置してタイマーを回す。オクラは3分後、茄子は10分後に取り出し、鶏肉を出すのは20分後。肉の気配を察知すると、サヨリは僕の膝の上からご機嫌さんで時を待つ。幸せのゴロゴロが止まらない。

重い…そして、暑い。

───整いました!。

先に取り出した茄子とオクラは盛りつけ済み。その前にサヨリの食事が先である。蒸した鶏肉を手で裂いて、少し冷ましてから食べさせる。鶏肉は自分で食べてくれるのだけれど、床全体を皿にするから後が大変。結局、食べさせるはめになる。

───茄子とオクラのみそだれ出来ました。

焼き肉のタレは万能調味料である、日本人最大の発明と言っても過言では無い。僕の記憶が正しいのなら、幼稚園時代に焼肉のタレは市場に存在しなかった。グルメ番組も無かったように記憶している。ちなみにバーベキューとは、野菜と肉とを交互に串に刺したものだった。花火、海、プール、キャンプ…青春ドラマでは夏のお約束のようにバーベキューシーンが放送された。

───嗚呼、肉が欲しい。

じいさんの言うとおり、味噌と茄子との相性は抜群だった。オクラもおいしく頂けた。これに牛肉が加われば天下無双、定食屋の満足度を軽く越えてくるだろう。血圧とか血糖値とか、保存料とか着色料とか、なんやかんや健康に気を回し始めた年齢だけれど、焼き肉のタレも「旨し!」である。

ご飯を食べて、ミルクを飲んで、膝の上でご満悦なサヨリさん。彼は、自分の肉を拝借された事実を知らない。

やっぱ、猫だな。

肉抜きで焼き肉のタレなんてあり得ない、猫に黙ってこっそり拝借───まさに猫糞ねこばばである。

コメント

  1. 猫が猫糞されるって(笑)サヨリさん、元気そうで良かった。それにしても、畑は初心者で土壌改良も考えてる‥との事なのに、大豊作。もはや、キジ虎農園さん。以前、よく記事の中で、枯れた男と称してたけど、枯れるどころか、持て余してる‥。隅に置けない方ですね。今夜は私も茄子にしよう。茄子のゴマだれうどん、麻婆茄子、茄子のミートソース、そぼろ煮、挟み揚げ、グラタン、迷ってしまう‥。

    • ダメ元で始めた畑なので試験的に最小限の本数で育てています。1か月遅れで、全てが後出しジャンケンで、それだけに改良部分が良く見えました。畑に出るようになって体は枯れども心は枯れずな気分です。今夜のナス料理は何だったのでしょうね?。今、サヨリさんは鶏が蒸し上がるのを待っているところです。去年頃から夏でも元気でいてくれています。食欲と元気とは比例するんですね。


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