じゃがいもを堀った日、僕はゾッとした。
畑にモグラの存在を確信したからだ。こうなっては、気づかぬふりなどしてられない。前向きに対処しなければ、春夏野菜に悪影響が出る。さて、どうしたものか……。モグラ退治を知人に訊くと、モグラホイホイがあるという。筒状のアルミの棒だ。その仕組みはウナギを採る罠と似ている。筒の中に入ったら、もう二度と出られないアレ。ホムセンに行くと、1本千円ほどで販売されていた。
もう少し考えよう。
だって、そうでしょ? 誘惑の罠を使えばモグラが死んでしまう。キッスは目にするのもだ。無暗な殺生はよくない。それは、アナタも同じでしょ? ネットで〝モグラ退治〟のキーワードで検索すると、風車を使う方法があった。それは、地面に棒を突き立てて、棒の先端に取り付けた風車の振動を地中に伝える。その振動を嫌がって、モグラが畑から出ていくらしい。概ね理にかなっている。
風車と言えばオッツーだ。正義の味方はモグラを追っ払ってくれやもしれない。とはいえ、この風車。ペットボトルで作らにゃならぬ。記事ネタにしてやろうかと思いながらも、どうも作るのが面倒で、今日もサヨリは元気です(笑)
強風の中、同僚ワーちゃんのマンバ(高菜)を採りに畑に寄った。畑は高台にあるのだから、さらに風は強くなる。こりゃたまらん! 猛ダッシュでマンバを採っていると、向かいの桃畑からバサバサ煩い音がする。イノシシ除けに張り巡らされた、ピンクのテープが風にたなびく音である。それを見た瞬間、僕の頭でデッカイ電球がピカリと光った。
俺ってば、天才かもよ!
風車だろうがテープであろうが、結局のところ振動である。ついでにイノシシ除けになるのなら一石二鳥。僕はホムセンでそれを求めた。謎のテープは〝来るなら濃いピンクテープ〟という商品名だった。それを手に取り我思う───こんなのでイノシシが除けられる? その理屈が分からない。けれど、このテープが僕の周りで流行っているのだから、何らかの効果があるのだろう……。
で、1月11日の木曜日───晴天。
昼休みを使って畑に寄った。まんべんなく畝に支柱をおっ立てて、その先端にテープで繋ぐと、向かいの畑と同じようにテープは風に揺られて音を立てた。バッサ、バッサとよき感じ(笑)
テープ面を真っすぐにして張った部分は、あまり揺れていないようだ。勢いよく揺れているのは、少し捻じった方のテープであった。風に揺れるテープを眺めて自己満足に浸っていると、お昼の終わりを告げるチャイムが鳴った。
後は野となれ山となれ……。
この方法が正解なのかは分からない。だから真似しない方がよいだろう。ペットボトル風車を使った実験検証。それではモグラに有効なようである。けれど、風車が起こす振動とテープが起こす振動が、同じ周波数なワケがない。つまり、やってみないと分からない。
3月になれば、土づくりの季節。
きゅうり、トマト、そして茄子。野菜の準備で、僕は畑に鍬を入れる。その時に、モグラの気配を感じなければ実験成功と言えるのだろう。畝は地面に広がる大宇宙。さてさて、この実験の結果はどうなることやら……。
乞うご期待(笑)
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