【高校時代の】自宅で簡単に儲かる宛名書きの高収入副業で損した話【想い出】

狙う猫
雑記・覚書き

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───郵便局から小包が届いた。代引きだった。

1985年(昭和60年)高校3年の春の出来事。新しいバイトにワクワクしながら箱を開いて腰が砕けた。

───これ無理じゃん。

いくら未熟な僕でもすぐ分かる。3万円が消し飛んだ事実。クーリングオフ制度も無かった。個人情報保護法も無かった。夢だけはあったけれど、大らかで残酷な時代だった。

───始まりは雑誌の広告。

当時の憧れで最高峰パソコン。NEC PCー9800が欲しかった。学校に黙ってバイトをしていたけれど、98は高嶺の花で手が出ない。学校に置かれた98でコソコソ遊ぶのが精一杯だった。

───僕の時給は550円。

それでも時給は良い方だった。

当時の雑誌は、その名のとおり雑だった。怪しげな広告が所狭しと並んでいた。バーベル、ダンベル、腹筋などの筋トレマシンから始まり、金運に恵まれる財布やネックレス。テスト前には睡眠学習機に購買意欲をそそられた。

そして、雑な広告のひとつに目が留まる。

───年齢性別問いません。自宅で楽々、宛名書きの高収入副業。

これは良きかも?。

雑誌に書かれた電話番号にダイヤルを回すと、後日、書類が送られてきた。商材費に3万円が必要なのだそうだ。商材って何だ?。うまく行けばボーナスが貰える宛名書きの副業らしい。ボーナスという大人の甘味な響きが実に心地よかった。大人の階段を登った気分。

───宛名を書くだけでお金が貰えるなんて、世の中チョロい。

そんな気持ちで登録した。鴨がネギ背負って網に掛かった瞬間だ。3万円と引き換えに受け取った段ボール箱。蓋を開けると封筒と広告と指示書が入っていた。

───これが大人のお仕事ですか。

指示書に目を通して絶句した。それは、悪の組織からの指令書だった。

  • ①名簿を用意しましょう。
  • ②封筒に宛名を書いて投函しましょう。
  • ③契約が成立したらアナタへ1万円が振り込まれます。
  • ④頑張ってください。

システムは理解した。高校生の僕でも分かる内容だった。これを送れば良いのだな。売れたらボーナスくれるのだな。何を売るのかな?。DMチラシの内容に大人の階段は脆くも崩れ去った。

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宛名書き高収入副業の内容

チラシの内容は、3万円を支払って宛名書きをする副業の勧誘。つまり、今の僕の状況をそのまま勧誘。切手代はこちら持ち。

───こんなの出来やしない。

時給550円。僕の54時間分の人生が吹っ飛んだ。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。

先生に相談したら怒られる。親に言えば殴られる。友達に語れば笑われる。警察に行けば全員にバレるだろう。いい笑いものにされるだろう。それは嫌だ。

ダメ元で悪の組織に連絡を取るか?。待て待て待て。相手は闇の秘密結社、後で何をされるか分からない。お礼参りはやっぱり怖い。

キツネだってそこまではしないだろ?。その考えは甘かった。昭和の大人は汚かった。都合よく正義の味方など現れる事もなく、結局、泣き寝入りするしか無かった。

───これが僕の黒歴史。

今まで誰にも話した事のない話だ。これから先も誰かに話すことも無いだろう。この記事を読んだ人のみが知る話。無知は罪だけれど、馬鹿は罰。それだけは学習した。3万円は勉強賃、今でも恨んでいるけど。

そんな目線からインターネットを眺めてみれば、巧妙な亜種と変異し、その手法に騙されたツイートが多く見られる。手間暇掛けたの呪いの段ボールだから、僕はリアルに失敗を実感出来たのだろう。けれど、今はカタチの無い情報が主流。カタチが無いから実感すら湧かないのが正直なところなのだろう。

───お気の毒で危ないな。

そんな気持ちで見るツイートもコロナ禍の影響からか目立つようになった。学生さんが多いように見受けられる。Twitterのフォロワーはファンの数だと勘違いしてはいけないよ。それは自分に向けられた銃口の数なのだから。

成功が努力より先に来るのは辞書だけです。