───ないていいのは、おトイレか、パパのむねのなかだって…。
あっと思った瞬間に、ポケットからトイレの中へ滑り込んだiPod touch───終わった…。何でなん!、不幸である、まさかトイレで涙ぐむ未来があったとは。けれど不幸の連鎖は前日から起きていた。この瞬間へと導く伏線。大切な何もかもが僕の手元から離れてゆく…。
───始まりはワイヤレスイヤホンからである。
もう歳だからきっと無くす。首掛けタイプなら無くすわけがない。これで無くしたら焼きが回った証拠である。そんな現実ある訳がない。そんな思いでこの夏に、GEOで買ったワイヤレスイヤホンを昨日無くしてサヨリは今日も元気です。
どこで無くしたのか分からない。皆目見当も付かない。可能性があるとすれば職場だけなのだけれど、心の中ではそんな事もあるさと諦めた。手持ちの有線のイヤホンで場を凌ぐ。今のご時世、100均でもワイヤレスのイヤホンだってあるだろう。今度探してみれば良い。500円くらいの見た記憶もあるから気にするな。
傷は浅い、ダメージも少ない、買ったら記事に書くだけだ、問題無い。
───これが終わりのスタートライン。
翌朝、iPod touchと有線イヤホンを繋いで耳に当てた。朝だもの最初にやる事は決まってる。そそくさとトイレに入る。それはアナタも同じでしょ?。朝のお通じは健康のバロメータ。勢いよくズボンを下ろすと勢いよくiPod touchがポケットとから飛び出した。コードが腕に引っ掛かったのだ。ワイヤレスさえ無くさなければ無かった筈の出来事である。
───伏線が回収される。
運動神経が無意識に反応し、脳信号より素早く動く、これがアラカンの動きかと思う程のクロックアップ。後で何処かが痛くなるのだろう。瞬時に水中からiPod touchを海猿救出したのだけれど、完全水没ではヤバい状態なのに違いない。このままじゃ太輔くんが死んじゃう!。カンナの声がこだました。
───電源、電源!。
トイレットペーパーで筐体の水分を隅々まで拭き取る。その後、電源を入れると画面は正常に蘇生された。やれやれと思いながら電源を落とそうとするとスワイプ出来ない。シュッシュ、シュシュシュ、ポニーテールと…いや、何でもない。あれ、反応しない…物理ボタンは反応すれど、何度画面を撫でても愛ても動かない。そのうち画面がぶれ始め、そこからは不幸の直列繋ぎでヤツがクル。
───何だこれ?、ハーデスのフリーズ画面か!。
iPad、iPad mini、iPod touch使いの僕だけど、こんなエグい画面を見たのは初めてである。井戸の底から手土産持った、貞子の一人や二人くらいが出てきそうな雰囲気ある。99パーセントの諦めと1パーセントの希望を胸に、今、僕はiPod touchをひたすら乾燥させている。
───月曜日、憂鬱な朝の幕開けであった。
夕方、iPod touchの電源を入れて無理矢理ログインすると狂ったような挙動を見せた。勝手に設定画面を開きハッキングされているかのよう。それならば動かない方がまだマシである。別端末にも支障が出そうな暴れっぷり。強引に電源を落としてしばらく放置する事にした。
───ダメだこりゃ。
今回限りは諦める覚悟を持った方が良さそうである。
コメント
この前古いiPhoneでYouTube聞きながら茶碗洗ったら、iPhoneが荒い桶にダイブしてきて、
画像は出るけど音が出ないってとこまで回復した。
その後水抜きアプリっていうわけが分からないものをインストールして稼働したら
次の日復活したんですー。
なんでなんでって感じです(*´з`)
しっかりと乾燥させてから総チェックしてみます。
イヤホンばかり使っていたので音の事は考えてませんでした(汗)。
そっちも確認してみないとですね。
何はともあれ動いてくれる事を願ってします。