ヤマダ電機の帰り道。
寒空と北風で冷えた身体が天ぷらを求めた。アツアツでサクサクのやつ。近くのうどん屋で熱々の天ぷらだったら…。僕の胃袋ナビゲーションシステムが弾き出した解答は、満場一致でさか枝うどんの天ぷらだった。ハローズの近く、びっくりドンキーの横にあるうどん屋だ。
あそこなら、いつでも天ぷらは熱々だ。昼食のメニューが決まっただけなのに、自転車のペダルがグンと軽くなるのも不思議です。
さか枝うどん(春日店)で天ぷら三昧

香川では何でも揚げ物は天ぷらと呼ぶ。
子供の頃からそうだった。未だにその理由が分からない。コロッケでも、メンチカツでも、トリの唐揚げでも、スコッチエッグでさえも天ぷらだ。うどん屋に入るたびに、その疑問への解答を探している。
───天ぷらだから、天ぷらなのだろう、多分
今日の主役はその天ぷらである。さか枝うどんの天ぷらはいつも熱々だ。僕の知る限りではいつもそう。だからうどんはかけで十分。麺は脇役に徹してもらう。後で書くけど小はダメ。イモ、カボチャ、レンコン。
揚げたての天ぷらなら何でも良かった。欲を言えばコロッケが欲しい。熱々の衣が食べたかったのだ。サクサクの食感が楽しみたかった。
今年初めてのさか枝は、客層はアベックとこども連れで賑わっていた。いつもそう、いつだってそんな感じ。ひとつ前に並ぶラブロマンスを眺めながら若い頃を想い出す。がんバレよ、楽しめよ、お幸せに。
───だから、さっさと頼んでね
恋とうどんに迷いは禁物ですよ。
僕は、サクッとかけうどんを注文した。それ同時にイカ天が揚げ上がる。目の前でイカ天がドンドンと積み上がった。天ぷらのひとつはそれで決まり。もうひとつはいつものコロッケ。サクサクの衣を早く食べたい。
さか枝はセルフの店。麺を湯がいて、出汁を入れ、ネギや生姜などの薬味を乗せて食べるシステム。薬味にワカメがあった。それは嬉しい誤算だった。

───ワカメちゃんの花言葉は、日曜日の憂鬱(嘘)
そうだった、そうだった。ワカメのサービス忘れてた。長い間、ご無沙汰していてワカメの存在をすっかり忘れていた。ワカメを多めに入れると栄養バランスが格段に良くなる。嬉しくて少し多めにワカメを乗せた。天ぷらの油分をワカメが相殺。だから今日もゼロカロリー(嘘)。
───後は席に着いて食べるだけ
さか枝の弱点はひと玉が小さい事。
裏を返せば、一度にたくさん食べられない女性やこども向け。必然的にアベックやこども連れが多くなる。それもひとつの企業戦略だ。
さか枝の麺の味は計算され尽くされている。それはオープン当初から思っていた。硬い、柔らかい、太い、細い。その好みの平均を取るとこの麺に仕上がるだろう。癖のない万人受けする味。どちらからと言えば女性を意識した麺である。

───今日の主役は天ぷら
揚げたてのイカ天は舌が火傷するほど熱かった。その熱が冷えた体を一気に温め、口の中でイカが踊った。口から鼻へ颯爽と熱風が駆け抜けてゆく感じ心地いい。うめぇ、あちぃ〜。味の基本味よりも熱が美味い。うどんで油を流し込み、本丸のコロッケは衣サクサク。これだよ、これ。ガリッとした歯触りを求めていたのを再認識。
───イカ、うどん、コロッケ、出汁
目でみて、鼻で嗅ぎ、舌で味わい、脳で楽しむ。全ての食材が均等かつ同時に食べ終えられるよう、バランスよく食べ進めてゆく。その感覚は、CoCo壱でカレーを食べている感覚に近い。その作業に没頭できるのも、天ぷらを主軸とした時のうどんの楽しみ方。うどんが主役ならそうは行かない。
───至福のランチタイムは僅か5分で終了した
うどん屋の命はお客の回転率。うどん屋で長居は禁物。さっさと食べて、さっさと帰る。ご馳走様でした。
日曜日の憂鬱を乗り越え、翌日のお昼も仕事仲間とやっぱりうどん。一玉で腹一杯。タヌキだってそこまでしないだろ?、ってくらいの店だったのを忘れてうどん二玉を頼んだものだから、なんか凄いの出てきた。

その話はまたの機会で。
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